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「米価は上がったのに…?」米価上昇のウラで広がる温度差。利益実感6割超も、半数の農家が『まだ安い』と回答
2025.05.26
「食べチョク」を運営する株式会社ビビッドガーデンは、2024年から日本全国で続く米価格の上昇と供給不足をうけて、生産現場で実際に起きている変化を把握・発信するため、登録生産者に対して緊急実態調査を実施し、その結果を発表した。以下プレスリリースより一部抜粋。
5割の生産者が米の取引価格「まだ安い」と回答
調査の結果、今回の価格上昇に伴い利益の増加を実感している生産者は60%超に上りました。一方で令和6年産米の2024年9月時点の相対取引価格(※3)について約52%の生産者が「依然として安い」と回答。また、酷暑や水不足の影響により、収量の減少や2等米・3等米の割合増加といった変化を感じている生産者もおり、一時的な価格変動ではなく米の持続的な生産に直結する構造的な課題が浮き彫りになりました。
・調査実施の背景
米の販売時に決まる、JA全農などの出荷業者と卸売業者との間で交渉される「相対取引価格」は2004年ごろから20年以上横ばいの状態が続いていました(※4)。過去5年間の相対取引価格の平均値は約12,000円から16,000円(玄米60kgあたり)を推移しています。
しかし2022年以降、肥料・農機・資材などのコストが世界的な物価上昇の影響で高騰し、生産者の負担が増加しています。
その後2024年から米の価格が上昇を始め、令和6年産米は2024年9月時点で22,700円となり2025年4月時点では27,102円まで上昇しています(※6)。
スーパーなどでの小売販売価格(5kgあたり)は、2024年6月時点で2,200円程度、2024年9月時点で3,000〜3,500円程度に上昇し、2025年4月にはおよそ4,200円となっています。
米の価格上昇や品薄傾向に対して、消費者からは戸惑いや不安の声も寄せられています。一方、生産現場ではコストの上昇や気候変動の影響により、安定的な生産維持のための新たな対策に迫られています。
こうした背景を踏まえ、全国1万軒以上の生産者が集うプラットフォームとして、現場の声を可視化し発信することが、米の持続的な生産について生産者と消費者双方と考えていくための第一歩になると思い、今回のアンケート調査を実施しました。
今後も状況に応じて必要な調査を続けていく予定です。
・米の生産者に行った実態調査結果サマリー
調査概要
- 調査対象:食べチョクに登録している全国の米の生産者
- 調査期間:2025年5月16日(金)~5月21日(水)
- 調査方法:インターネットによる任意回答
- 回答人数:111人
令和6年産の米の供給は逼迫。約34%が増産方針を検討
令和6年産米について、「在庫が逼迫している」もしくは「在庫が無い」と回答した生産者は全体の約85%に上りました。一方で、「毎年余っていた米が今年はすべて完売した」と喜ぶ声も多く寄せられています。
作況指数と比較して42%が「自身の生産量は指数より少ないと感じる」
令和6年産米の生産量について、「農林水産省が発表している作況指数(※7)の『101』と比較して自身の生産量は少ないと感じる」と回答した生産者は、全体の42%に上りました。
理由として挙げられたのは、「夏の酷暑や水不足、水温の上昇によって米の品質が低下し、2等米・3等米の割合が増えた」というものです。
作況指数は玄米の数量ベースで算出される指標です。品質低下により等級が下がると、精米時に砕ける米の割合が増え、実際に流通可能な量が減少することも、乖離の一因と考えられます。全体の42%に上りました。
現在の価格は「ようやく適正」という声も。半数以上が「まだ安い」と回答
令和6年産米の市場流通における相対取引価格の平均は、2024年9月時点で玄米60kgあたり22,700円となっています。同時期の小売価格の平均は3,000円から3,500円程度となっています。この価格について「妥当」と感じる生産者が約38%、「少し安い」または「とても安い」と感じる生産者が約52%を占める結果になりました。
生産者からは「肥料・燃料・人件費などのコスト上昇は長年価格に反映されてこなかった。ようやく適正価格に近づいた」といった声も寄せられています。
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