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時短要請の解除後、新規客の増加や客層に変化が!(株)シンクロ・フード調べ

2021.12.28

飲食店に特化したリサーチサービス「飲食店リサーチ」を運営する株式会社シンクロ・フードは、飲食店.COM会員を対象に、時短要請解除後の飲食店の営業状況や利用者の様子についてアンケート調査を実施し、結果を発表した。以下プレスリリースより抜粋。

 

時短要請の解除後、半数以上の店舗で「客単価」が増加
集客の時間帯や客層に変化があった店舗も

 

<本調査について>
■調査概要
調査対象:飲食店.COM会員(飲食店経営者・運営者)
回答数:451名
調査期間:2021年11月25日~2021年11月28日
調査方法:インターネット調査

■回答者について
本調査にご協力いただいた回答者のうち72.1%が1店舗のみを運営しております。また、回答者のうち東京にある飲食店の割合は51.7%(首都圏の飲食店の割合は69.1%)となっており、こうした背景が結果に影響していると推測されます。

 

<調査結果について>

宣言解除後、飲食店の半数で新規客増加。時間帯・客層ごとの客数も変化

緊急事態宣言およびまん延防止等重点措置が9月末で解除された後、各地では段階的に飲食店に対する時短制限等が緩和されてきました。12月現在、国内の感染者数は低い水準で推移しており、各地の飲食店などでも行動制限緩和に向けた動きが出てきています。そこで今回は、時短要請解除後の飲食店利用状況を調査するため、アンケートを実施しました。

まず、2021年10月の経営状況について、新型コロナウイルスの流行が始まる前の2019年同月と比較してもらったところ、「2019年10月より30%減った」との回答が、15.5%で最多となりました。次いで、「40%減った(12.2%)」、「50%減った(11.3%)」との回答が続きました。全体を見ると、68.9%が「2019年同月より売上が減った」と回答しており、飲食店の約7割でコロナ禍前の売上水準に回復していない状況がわかります。

 

続いて、緊急事態宣言が発令されていた9月以前と解除後の10月以降で、店内飲食をした客数の変化を時間帯別に伺いました。その結果、「減った(29.9%)」との回答が最多となったのは「21時以降」となり、宣言解除以降も遅い時間帯については、客数が減っている店舗が少なからずあることが明らかとなりました。一方「営業時間外」との回答を除くと、「午前中」と「14時~18時」では「変わらない」が最も多く、「12時~14時」では「やや増えた(22.6%)」との回答が最多となりました。

 

次に、9月以前と10月以降における新規客の来店状況を尋ねたところ、最も多かったのは「やや増えた」との回答で38.4%。次いで「変わらない(26.6%)」、「増えた(17.7%)」と続きました。この結果から、半数以上の店舗で新規客の来店が増加したことがわかります。

 

さらに、9月以前と10月以降の店内飲食における客層別の利用客数の変化を聞いたところ、「ビジネスパーソン」、「ファミリー」、「学生」、「一人客」については「変わらない」との回答が最多でした。2~4人の「少数客」では「やや増えた(39.7%)」が目立った一方、5人以上の「団体客」については、宣言解除後も4人までの人数制限を設けていた自治体もあってか「減った(35.9%)」との回答が最も多くなりました。

 

続いて、9月以前と10月以降の店内飲食における客単価を比較してもらったところ、最多は「ほぼ変わらない(0.1%~1%未満の増減)」との回答で、37.7%。次いで「10~20%未満増えた(18.6%)」、「1%~10%未満増えた(14.0%)」との回答が続きました。全体を見ると、「増えた」との回答が47%で、半数近くの店舗で客単価が増加していることが明らかとなりました。

 

9月以前と10月以降におけるテーブル予約数の変化については、「変わらない(33.7%)」が最も多かったものの、続く回答は「やや増えた(30.4%)」、「増えた(13.7%)」となり、全体としては増加していることがわかりました。

 

88%のお客様が感染防止対策に協力的、ワクチン・検査パッケージへの不安の声も

各店が集客に対して様々な対策を行う中、集客に最も貢献していると思われる取り組みをうかがったところ、Googleが無料で提供している「Googleマイビジネス」が37.3%で最多に。さらに、「Instagram(31.7%)」のほか、「飲食店予約サイト(21.3%)」、「グルメサイト(予約機能なし・店舗情報のみ掲載)(19.7%)」、「自店のホームページ(19.1%)」、「Facebook(18.8%)」といった回答が続きました。

 

現在、多くの飲食店がマスク着用や手指消毒といった基本的な感染防止対策に取り組んでいます。そこで、こうした対策に対するお客様の協力姿勢について尋ねたところ、88%が「全体的に協力的」と回答。一方で、「概ね協力的だが、時々応じてもらえない(10.2%)」、「あまり応じてもらえない(1.8%)」と、少数ながら、協力的ではないお客様が一定数いる様子も見えてきました。

 

最後に、ワクチン・検査パッケージの導入など、行動制限緩和に向けた動きが高まるなか、困っていることや不安に感じていることについて聞いたところ、ワクチン・検査パッケージの導入に対する不安を中心に、以下のような回答が寄せられました。

 

<回答抜粋>

■ワクチン・検査パッケージ導入に関する回答

接種証明書等の確認にかかる負担
・忙しい時に1人ずつ確認していたら間違いなく回りません(神奈川県/焼肉/1店舗)

グループ客に対する対応
・グループの場合、全員確認ができるかどうか(埼玉県/専門料理/2店舗)
・予約者の一部の人にワクチンパッケージの証明がない場合は、入場を拒否することが困難だと想像している(京都府/和食/1店舗)

 

導入しない方針、賛成していない
・ワクチン・検査パッケージには賛同しかねるので、導入はあまり前向きになれない(宮城県/寿司/1店舗)
・常連様のなかには、ワクチン接種を避けている方も多数います。不公平感が生じないよう、ワクチン・検査パッケージの導入によるサービスは対応しない方針。今後、万が一感染者が増えた際に、ワクチン・検査パッケージの導入がないと営業や酒類の提供ができない要請が発令されることが不安である(東京都/その他/1店舗)

 

■その他の事柄に対する回答

人手不足に対する不安
・従業員の適正数確保(神奈川県/洋食/1店舗)
・やはり人手不足です。一斉に解禁になったのでどこも同じ状況だと思います。ワクチン・検査パッケージにも人手が必要です。どこの店舗さんでも馴染んでいたアルバイトさんがいたはずですが、かなりかき回されて労働環境が悪化しています(東京都/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)

 

ライフスタイルの変化による客足減少
・消費者のライフスタイルの変化に不安を感じています。10月から営業再開して、ディナーの売上が落ちています。原因の1つに、自粛によるライフスタイルの変化でお客様がご自宅でお食事、もしくはアルコールなどを楽しむ習慣ができたのではないかと考えています。以前と同じようなやり方では客足が戻らない心配もあるので、営業内容を見直して、「外食」そのものを魅力的に訴求できる対策を考えなければならないと感じています(神奈川県/イタリア料理/1店舗)
・今までのような飲食店利用に戻らない可能性が高いので不安があります。これからのあり方を検討中です(東京都/そば・うどん/1店舗)

 

感染症対策に協力的でないお客様への対応
・マスク飲食をしてもらえていない。こちらから注意もしづらい(神奈川県/酒屋・ダイニングバー/1店舗)
・マスクせず会話しているお客様に注意しづらいです(東京都/バー/1店舗)

 

感染の再拡大に対する不安
・スタッフが感染すること、また無症状でお客様に感染させてしまうこと(東京都/イタリア料理/1店舗)
・年末年始で人の動きが活発になった時に第6波が来るのではないかということが不安です(東京都/ラーメン/1店舗)

 

プレスリリースはこちら



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