活動・飲食ニュース
飲食店事業承継調査〜1店舗経営でも親族以外への承継を希望する飲食店は20%〜
2023.12.06
飲食店の出店・開業・運営に役立つサービスをワンストップで提供する「飲食店ドットコム」を運営する株式会社シンクロ・フード(本社:東京都渋谷区、代表取締役:藤代真一、東証プライム市場:3963)は、飲食店ドットコム会員を対象に、飲食店の事業承継についてアンケート調査を行い、その結果を発表した。
活発化する飲食業界の事業承継
近年、飲食業界の事業承継(M&A)は活性化しており、2021年~2022年の1年間では外食産業のM&Aは20%前年比で増加しました。新型コロナ感染拡大による影響から徐々に回復し活気を取り戻していることもあり、2023年はこの勢いをさらに上回る勢いで推移していくと思われます。しかしその反面、働き手不足による人件費の高騰や低価格化と原価高騰によるコスト増加等の理由から、経営ノウハウに関する知見や計画性はより重要になったといえます。(居抜き店舗.com調べ)以下プレスリリースより一部抜粋。
本調査について
調査概要
調査対象:飲食店ドットコム会員(飲食店経営者・運営者)
回答数:296名
調査期間:2023年10月24日~2023年11月1日
調査方法:インターネット調査
回答者について
本調査にご協力いただいた回答者のうち88.1%が2店舗以内の運営店舗です。また、回答者のうち東京にある飲食店の割合は52.0%(首都圏の飲食店の割合は67.9%)となっており、こうした背景が結果に影響していると推測されます。
調査結果について
現状の業績は黒字・成長〜赤字・悪化傾向が分散
まず、経営している事業の直近の業績について聞いたところ、収支および業績の推移が分散していることがわかります。業績の推移を見てみると、コロナが明けたことやインバウンドの回復などの好影響により業績の「悪化傾向」22.6%に対し、「成長傾向」「改善傾向」という回答は40.5%となりました。
▼現事業の直近の業績は?(N=296)
41%が将来の事業承継者未決定。1店舗運営の場合でも20%が親族以外に事業承継を検討。
次に、現在の事業の後継者について聞いたところ、「まだ決まっていない」(40.5%)が最も多く、次いで「自分の代での廃業・清算を考えている」(28.0%)という結果になりました。
▼将来の事業承継の方向性は決まっていますか?(N=296)
また、回答者の運営店舗数別で回答を見てみると、「まだ決めていない」の次に多かったのは1店舗運営では「自分の代での廃業・清算を考えている」(33.3%)、2店舗以上運営では「従業員など、社内人材への承継を考えている」(29.4%)と傾向が分かれました。2店舗以上運営している飲食店では、社内である程度後継者として目処のつく人がいることがわかります。
さらに1店舗運営の場合でも、「従業員など、社内人材への承継を考えている(6.1%)」「第三者への承継を考えている(13.6%)」と親族以外に事業承継を考えている人が約20%いることがわかりました。
▼将来の事業承継の方向性は決まっていますか?(運営店舗数別)?(N=296)
さらに、事業承継を考えている方に、後継者に期待することについて聞いたところ、「お店の名前を残してほしい」(29.0%)、「従業員の雇用・待遇を守ってほしい」(28.0%)、「味・レシピを残して欲しい」(20.4%)という結果になりました。
▼後継者に期待することは?(N=93)
コロナ前後で将来の事業に対する考えが変わったのは36%
続いて、コロナや直近の人手不足・物価高を経て将来的な事業の方向性が変わったかを聞いたところ、35.5%が「変わった」と回答しました。
▼コロナ前後で将来の事業の方向性について考えが変わりましたか?(N=296)
さらに、「変わった」と回答した方に、具体的にどのように変わったかを聞いたところ、下記のような意見が寄せられました。
<事業縮小・廃業を検討>
- コロナ禍前:多店舗展開を模索し、人材育成に注力していた。コロナ前後:飲食業の置かれている状況は厳しさを増すばかりであり、事業縮小若しくは廃業を検討 (東京都/その他/2店舗)
- 以前のような売上に戻る事はありえない状況に変わってしまった為、家賃等を払ったらあと残りがない経済状況の為、なんのための営業かわからなくなっている。その為、時期を見て、辞めようと決意した。 (大分県/テイクアウト/1店舗)
- 小規模店に移行したい (神奈川県/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)
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<事業拡大から、現状維持志向へ>
- 将来は大きくするつもりでいたが、現状のコンパクトなままで発展させたい (長野県/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)
- 他出店を考えていたが現状維持を第一と考える事になった。 (大阪府/洋食/1店舗)
- 店舗数を増やしたいと考えていたが、コロナで苦しい思いをしたので、その考えは今は持てない。 (愛知県/カフェ/1店舗)
-
<事業承継を断念>
- 出来れば 従業員など、社内人材への承継を考えていたが、求人難が続いてコロナ禍もあり諦めた。 (東京都/専門料理/1店舗)
- 当初は弟子に継承しようと思っていたが商売のやり方も考え方もコロナで大きく変わりました。続けることよりも新しいことや変化が大事なので看板(伝統や歴史)はあまり意味がない。(東京都/フランス料理/1店舗)
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<従業員が働きやすい環境整備>
- 売上至上主義を辞め、自分も含め従業員が働きやすい環境を心がけるようになった。 (茨城県/ラーメン/2店舗)
- まずは雇用を守ること。理念をベースに経営しているので、より理念や価値観を合わせる、そこに全ての答えがある、判断基準があるとより強く思えるようになりました。また、ここまで順調に良い人材が増えてきて、彼らが活躍する場を創出するために、投資の仕方、新規開発、買収なども可能性を模索していく必要があると痛切しております (東京都/専門料理/101店舗以上)
-
<長期スパンでの視野>
- 事業をして行く上で、より長期的なスパンで物事を見て行くような意識が高くなり、仕入れや、消耗品等をより明確に選別して行くようになりました。 (東京都/バー/1店舗)
- 時代の大きな変革は突然やってきて、会社の危機も唐突に起こる今まで以上に変化に対して柔軟に対応できる会社になりたい (東京都/居酒屋・ダイニングバー/31~50店舗)
-
<店舗の方向性の転換>
- 客単価を上げてもっと洗練した料理を提供していくことに。ターゲット層ももっと富裕層を相手に。(東京都/和食/1店舗)
- アルコールメインの業態は下がってる傾向にあるのでご飯ものを増やして飲みだけでなく、食事にこれる業態に切り替えた。 (東京都/居酒屋・ダイニングバー/1店舗)
- インバウンド向けの商品展開や、仕入れ商品の変更など、コロナ渦と物価高により変更しています。 (東京都/カフェ/1店舗)
将来の事業承継に向けて現在準備をしている人は27%
次に、将来の事業承継を考えていると回答した方に対して、現在準備をしているかを聞いたところ、「行っている」と回答したのは26.9%という結果になりました。
▼事業承継に向けて、現在何か準備を行っていますか?(N=93)
半数以上が事業の将来について「相談したことはない」
続いて、将来の事業の方向性や承継について、実際に相談したことがある相手を聞いたところ、最も多かったのは「相談したことはない」(52.0%)、続いて「経営者仲間」(23.6%)、「親族」(19.3%)、「会計士・税理士」(18.9%)という結果になりました。
▼事業の将来や承継について相談したことがある相手は?(N=296)
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