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【深夜営業許可】飲食店が深夜0時以降にお酒を出すには?

2026.04.22

【深夜営業許可】飲食店が深夜0時以降にお酒を出すには?深夜営業を行うバーのイメージ
飲食店が深夜0時以降にお酒を出すために必要な「深夜営業許可」。深夜酒類提供飲食店の届出が必要な飲食店、その要件と届出手順について解説

深夜まで営業するバーや居酒屋を開業する際、接待を伴わない飲食店であれば、警察への「許可」ではなく「開始届出」で営業可能です。しかし、単に書類を出せば良いわけではなく、場所や設備に関する厳しいルールがあります。

本記事では、正しい手続きのほか、絶対に外せない2つの要件や図面作成のコツを解説します。

「深夜営業許可」は間違い?深夜酒類提供飲食店とは

まずは「深夜営業」に関する正しい定義と、よく混同される「風俗営業」との違いを理解しましょう。

深夜酒類提供飲食店の定義

午前0時(深夜24時)以降も酒類をメインに提供する飲食店は、「深夜酒類提供飲食店」に分類されます。これに該当する場合、管轄の警察署へ届出を行わなければなりません。

しかし、深夜酒類提供飲食店の営業届出は、あくまで「許可(Permission)」ではなく「届出(Notification)」であるため、要件さえ満たしていれば、書類が受理され、11日後から営業開始可能です。

風俗営業(風営法)との違い

この届出とよく混同されるのが、風俗営業許可です。最大の違いは、お客様の隣に座って談笑するなどの「接待行為」や、店側が主導して客に娯楽を勧める「遊興」を行うかどうかです。

接待行為を行うキャバクラやガールズバーなどの業態は風営法の管轄となり、各都道府県の条例によって深夜0時(24時)以降の接待行為を行う営業が禁止、あるいは制限されています。つまり、「深夜にお酒を出したい」かつ「接待はしない」場合のみ、本記事で解説する「届出」の対象となります。

深夜酒類提供飲食店(届出)
風俗営業許可(許可)
  • ・キャバクラ、ホストクラブ、ラウンジなど
  • ・お客様の横についてお酌や談笑をする「接待」を行う店舗
  • ※接待行為を伴う営業の場合には、深夜0時以降の営業が禁止されています(一部地域を除く)

つまり、「深夜にお酒を出したい」かつ「接待はしない」場合は、深夜酒類提供飲食店の「届出」が必要です。もし「接待」をするなら、深夜営業はできない(風営法の許可を取って24時まで営業する)のが原則となります。

この区分を間違えると無許可営業として摘発されるリスクがあるため、ご自身の営業スタイルを明確にしておきましょう。

届出が必要になる店舗・ならない店舗の境界線

すべての飲食店に届出が必要なわけではありません。以下の条件を確認してください。

届出が「必要」なケース
  • ・深夜0時以降も営業する場合
  • ・酒類の提供がメインである場合(バー、居酒屋など)
  • ・客に酒類を提供して営む飲食店である場合
  • バー・居酒屋向き物件を見る
届出が「不要」なケース
  • ・深夜0時前に閉店する場合
    ※営業時間が23時や24時ちょうどまでの場合は不要
  • ・酒類がメインではない場合
    例)深夜営業のラーメン店、牛丼店、ファミリーレストランなど「主食」の提供がメインで、お酒はおまけ程度の扱いの場合は、届出対象外となることが一般的
  • ラーメン屋向き物件を見る

ただし、「酒類がメインかどうか」の判断は警察署や担当者によって見解が分かれる場合があります。「うちはカフェバーだから大丈夫だろう」と自己判断せず、管轄の警察署(生活安全課)に事前相談しましょう。

【重要】深夜営業を行うための2つの要件

深夜営業を行うための重要な場所と設備の要件!深夜営業を行う飲食店街のイメージ
深夜営業を行うための重要な場所と設備の要件を解説

届出を行うためには、「場所」「設備」の2つの要件をクリアする必要があります。特に「設備」の要件は、内装工事が終わってからでは修正が難しいため、物件契約前に必ずチェックしてください。

1. 場所の要件(用途地域・保護対象施設)

どこでも深夜営業ができるわけではありません。

用途地域 住居専用地域での深夜営業は原則困難で、基本は商業地域等が必要です。ただし自治体の条例で例外となる場合もあるため、物件検討時は必ず確認しましょう。
保全対象施設 病院や学校などの周囲一定距離内では、営業が制限される場合があります(各都道府県の条例による)。

2. 設備の要件(構造・設備)【重要】

警察署への届出で最もつまずきやすいのが、店内の構造や設備に関するルールです。以下の基準をクリアしていない物件は、深夜営業が認められません。

客室の床面積 床面積が9.5㎡以上であること(客室が1室のみの場合は制限なし)
見通しを妨げる設備 客室内に高さ1メートル以上の障害物(間仕切り、背の高い椅子、観葉植物、ボトル棚など)を置かないこと
照明の明るさ 客室内の照度が20ルクス以上であること(薄暗すぎるバーはNG、店舗内の明るさを調整できる調光器(スライダックス)の設置は原則禁止)
鍵の有無 客室の出入り口に施錠設備を設けないこと(営業中に客室を密室にしないため)

特に「高さ1m以上の仕切り」は要注意です。ボックス席の背もたれが高すぎたり、視界を遮るインテリアがあると検査に通りません。図面作成(求積図の作成)時には、これらの寸法を正確に反映させる必要があります。

届出の手順とスケジュール

深夜酒類提供飲食店の届出の手順とスケジュールを確認している飲食店店主のイメージ
深夜酒類提供飲食店の届出の手順とスケジュールを解説

スムーズに開業するために、手続きの流れと必要書類を把握しておきましょう。

1. 必要書類の準備

書類作成には専門的な知識が必要です。特に図面は非常に細かいため、行政書士に依頼するオーナー様も多くいます。東京都内の行政書士に依頼する費用相場は10万円前後。行政書士やプランによって金額や内容が大きく異なります。

・深夜酒類提供飲食店営業開始届出書
・営業の方法を記載した書類
・営業所の平面図・求積図(客席、調理場などの面積を正確に計算したもの)
・照明・音響設備の配置図
・住民票(本籍地記載のもの)
・飲食店の営業許可証の写し(保健所発行のもの)
・賃貸借契約書の写し(使用承諾書が必要な場合もあり)

2. 提出先と期限

提出先 店舗の所在地を管轄する警察署(生活安全課)
提出期限 営業開始日の11日前まで(提出日の翌日よりカウントして10日必要)

「書類に不備がなく受理された日」の翌日からカウントして、10日後(11日目)から深夜営業が可能になります。そのため、もし修正が必要になれば、その分開業日が遅れてしまいます。余裕を持って、オープン予定の1ヶ月前頃には警察署へ事前相談に行きましょう。

変更届・廃止届の手続きを忘れないために

開業後、お店の状況が変わった場合も手続きが必要です。

変更届 店内のレイアウト変更(改装)、営業時間の変更、屋号の変更、代表者の氏名変更などがあった場合は、速やかに「変更届出書」を提出します。
廃止届 店舗を閉店する場合や、深夜営業をやめて通常営業(24時まで)に切り替える場合は、速やかに「廃止届出書」を提出します。

これを怠ると「届出内容と実態が異なる」状態になり、立ち入り検査の際に指導を受ける可能性があります。

違反した場合の罰則とリスク

無届での深夜営業や、虚偽の届出は法律違反になります。

無届営業 50万円以下の罰金
名義貸し 他人の名義で営業した場合、営業停止命令などの行政処分
未成年者への酒類提供 深夜営業許可に問わず、50万円以下の罰金等

罰則だけでなく、警察からの営業停止命令が出れば、お店の信用に関わり、経営存続が危ぶまれます。また、深夜帯はトラブルが起こりやすい時間帯でもあります。スタッフへのコンプライアンス研修や防犯カメラの設置など、トラブル回避のための対策も万全にしておきましょう。

まとめ

深夜営業(深夜酒類提供飲食店営業)は、「許可」ではなく「届出」ですが、その基準は決して甘くありません。特に「場所」と「設備(1mの見通し・照明)」の要件は、物件選びや内装工事の段階で知っておかないと、取り返しのつかない失敗につながります。

  • 1. 自分の店が「深夜酒類提供飲食店」に当たるか確認する。
  • 2. 物件が「用途地域」の制限にかかっていないか確認する。
  • 3. 内装工事前に「設備要件」をクリアしているかチェックする。
  • 4. 営業開始の11日前までに警察署へ書類を提出する。

これらのステップを確実に踏み、法令を遵守して、繁盛するお店づくりを目指してください。



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