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リースとレンタルの違いを解説!飲食店開業・移転におすすめなのはどっち?

2025.08.27

リースとレンタルの違いを解説!飲食店開業・移転におすすめなのはどっち?
リースとレンタルの違いを解説!飲食店開業・移転におすすめなのはどっち?

飲食店の開業や移転では、設備や機器をどう調達するかが重要なポイントになります。特に、コスト面や契約期間を考慮する際、リースとレンタルの違いを理解しておくと有利に検討を進めることができるでしょう。

居抜き物件の活用や、店舗を拡大する際にも、初期費用をなるべく抑えながら最適な設備を導入したいと考える方は多いはずです。そんな時、リースやレンタルを上手に使うことで、必要な厨房機器や什器を柔軟に揃える選択肢が広がります。

本記事では、リースとレンタルの違いや費用面でのポイントをはじめ、飲食店がどのような局面でどちらを選ぶべきかを徹底解説します。それぞれのメリットや注意点を踏まえ、最適な方法で店舗運営をスタートさせましょう。

【比較一覧表】リースとレンタルの違いは?

リースとレンタルの主な違いを比較することで、どのようなシーンでどちらを選ぶべきかが見えてきます。

リースとレンタルは、設備や機器を借りて使うという点では共通していますが、契約形態や期間、料金体系などに違いがあります。飲食店にとって、運営期間の長さや設備の更新スパンを考慮すると、どちらがコストメリットを生むかはケースバイケースです。

また、保守や修繕義務が誰にあるかによっても、店舗運営の手間やコストが変わるため、契約内容をしっかりと理解しておくことが重要です。以下では、具体的な項目別に違いを確認し、それぞれの選択肢を絞り込んでみましょう

具体的な違いは下記の一覧表をチェック!

  リース レンタル
契約期間 長期間(3〜10年など) 短期間(1日、1ヶ月など)
対象設備 自由に選べる レンタル会社所有設備から選ぶ
設備の状態 新品 中古
設備の所有権 リース会社(実質契約者) レンタル会社
料金 設備価格×リース料率 一定料金
月額料金 比較的割安 比較的割高
途中解約 原則不可
会計処理 資産として計上 経費として計上
保守・修繕義務 契約者 レンタル会社
期間満了後 返却or再契約or買取り 原則返却

契約期間について

リースは長期的な契約が前提となるため、開業の初期段階で店舗コンセプトやメニューが固まっている場合に向いています。業務用冷蔵庫、製氷機、オーブン、空調設備など、店舗に長く設置して使用する設備を使用する時にも適しています

一方、レンタルは短期間の契約が可能な場合が多く、店舗の立ち上げ時期に試験的に機器を使いたい場合などに便利です。契約期間の柔軟性はレンタルの方が高いものの、その分月額費用が割高になることもあります。

対象設備・状態・所有権について

リースの大きな特徴は、借主が自由に設備を選べることです。特定のメーカーやブランド、最新のモデルなど、自店のコンセプトやニーズに合った設備を指定できます。リース会社は、その指定された新品の設備を購入し、借主に対して貸し出すという仕組み。そのため、設備の所有権はリース会社にありますが、実質的な使用権と管理責任は借主にあります。

レンタルは、レンタル会社がすでに保有している設備の中から選ぶ形になります。そのため、選択肢はレンタル会社の在庫に限定され、基本的に中古品となります。設備の所有権はレンタル会社が持ち続け、保守・管理の責任もレンタル会社が負うのが一般的です。

料金・月額料金について

リースの月額料金と合計金額は、以下の式で算出されます。

月額料金 = 設備の購入価格 × リース料率
合計金額 = 月額料金 × 契約期間(月数)

リースの月額料金は、設備の購入価格にリース料率を掛けて算出。このリース料率には、設備の購入代金、利息、保険料、固定資産税、リース会社の利益などが含まれています。契約期間全体で見たトータル支払額は、設備を現金で購入するよりも高くなる傾向にありますが、月々の支払いが一定かつ低額に抑えられるため、開業時のキャッシュフローを安定させるのに役立ちます。

レンタルは短期間での契約が前提のため、月々の支払いはやや割高となりやすい点が特徴。ただし、短期利用を前提としているため、総額で比較すると安く済むケースもあります。 どちらにしても、一時的な資金負担は抑えられるため、開業時や移転時など大きな出費が重なるタイミングで有効活用できます。

途中解約の違い

リースは、原則として契約期間の途中での解約ができません。これは、リース会社が借主のために設備を新規購入しているため、購入費用を回収する必要があるからです。もしやむを得ず途中解約を希望する場合は、残りのリース料金を一括で支払うか、高額な違約金を支払うことになります。

レンタルは、契約期間の途中でも比較的自由に解約が可能です。解約するタイミングによっては、違約金が発生することもありますが、リースのそれに比べれば軽微な場合がほとんどです。この柔軟性が、レンタルの最大の利点の一つといえます。

会計処理の違い

リースは、会計処理の面では、「ファイナンス・リース」と「オペレーティング・リース」の2種類に大別されます。

ファイナンス・リース オペレーティング・リース
・リース期間中の途中解約が不可
・契約者が設備購入費用などを全額支払う
ファイナンス・リース以外のもの

ファイナンス・リースは、設備の「所有」に近いと見なされ、リース品を会社の「資産」として計上し、減価償却費として費用を配分します。一方、オペレーティング・リースは、一般的なレンタルと同様に「経費」として処理されます。ただし、2019年1月以降、国際会計基準(IFRS)を適用している企業では、すべてのリース取引が資産計上されるように変更されました。

レンタルの料金は、基本的に「賃借料」や「レンタル料」として全額を経費として処理できます。会計処理がシンプルでわかりやすいため、経理上の負担が少ないのが特徴です。

保守・修繕義務の違い

リース契約では、設備の保守・修繕義務は借主にあります。契約上の所有権はリース会社ですが、実質的な管理者である借主が、故障や不具合が発生した場合の修理費用を負担しなければなりません。これは、リース料金にメンテナンス費用が含まれていないためです。

レンタルでは、設備の所有権がレンタル会社にあるため、通常使用における故障や不具合の修理費用はレンタル会社が負担します。ただし、借主の過失による破損の場合は、修理費用を請求されることもあります。

期間満了後の違い

リースの場合、契約が満了した際には、一般的に「設備の返却」「再リース契約」「買取り」の3つの選択肢があります。ただし、リース会社や契約内容によって対応が異なるため、事前に確認しておくことが重要です。

レンタルの場合は、契約期間が満了すれば、設備をレンタル会社に返却するのが基本です。一部のレンタル会社では、一定の契約年数を経ると設備が借主に無償譲渡される「所有権移転型レンタル」も存在します。

リースとレンタルのメリット・デメリット

リースとレンタルのメリット・デメリット

それぞれを検討する前に、リース・レンタル両方の有利になる点と注意すべき点を把握しておくことが重要です。

リースとレンタルは、いずれも初期費用を抑えて飲食店を開業・移転できる手段となりますが、それぞれ特有のメリットとデメリットがあります。長期的に店舗を構えるのか、短期でメニューや内装、設備を大きく変える可能性があるのかなど、運営計画によって最適な手段は変わってきます。

導入したい設備の種類や設備投資に充てられる予算、さらには既存の居抜き物件をどこまで活用するかといった点も含め、幅広く検討していくことが大切です。以下では、リースとレンタルそれぞれのメリット・デメリットを詳しく見ていきましょう。

リース

リースの契約期間が満了したときは、一般的に「返却」「再契約」「買取り」のいずれかを選びます。ただし、リース会社によって対応が異なる場合もあるため、満了後の対応について事前に確認しましょう。

メリット デメリット
・初期費用を大幅に抑えられる
・新品・最新の設備を自由に選べる
・ランニングコストが明確で計画が立てやすい
・税務上のメリットがある(経費計上)
・原則、途中解約ができない
・修理やメンテナンス費用が自己負担になる
・トータルの支払額が購入より高くなることがある
・審査があるため、契約できない場合もある

リースのメリット

リースの最大の魅力は、高額な設備を導入する際の初期費用を大幅に抑えられることです。これにより、手元の資金を家賃や人件費、運転資金など、他の重要な部分に回すことができます。また、好きなメーカーやブランドの最新設備を自由に選べるため、店舗のコンセプトに合わせた理想的な空間作りが可能です。毎月の支払額が一定であるため、長期的な資金計画を立てやすい点も大きなメリットです。

リースのデメリット

リースで最も注意すべき点は、途中解約が原則として不可能であることです。万が一、経営が軌道に乗らず店舗を閉店することになった場合、残りのリース料金を一括で支払わなければならず、これが大きな負担となります。また、設備の故障や不具合が発生した場合の修理費用も自己負担となるため、予期せぬ出費が発生するリスクも考慮する必要があります。さらに、契約にはリース会社の審査があり、信用状況によっては契約できないケースもあります。

レンタル

レンタルの場合は、レンタル会社への返却が基本です。レンタル会社によっては、一定の年数契約をすれば契約者に所有権が渡る場合もあります。

メリット デメリット
・必要な期間だけ利用できる
・不要になったらいつでも解約できる
・メンテナンス費用がレンタル会社負担
・会計処理がシンプルで経費計上しやすい
・選べる設備が限られる(中古が中心)
・1日あたりの費用がリースより割高になる
・希望のメーカーや最新設備が使えない

レンタルのメリット

レンタルの最大のメリットは、契約期間の柔軟性にあります。数日間のイベントや、期間限定のメニューを提供する際に必要な設備だけをピンポイントで借りることができます。また、不要になったらいつでも返却できるため、経営リスクが低いのが特徴です。さらに、設備の所有権がレンタル会社にあるため、通常使用におけるメンテナンスや修理費用はレンタル会社が負担してくれます。

レンタルのデメリット

レンタルでは、レンタル会社がすでに所有している設備の中から選ぶため、選択肢が限られます。最新の設備や、特定のメーカー・モデルを希望しても、在庫がなければ利用できません。多くの場合、提供されるのは中古品となります。また、リースに比べて日割り・月額の料金が割高になる傾向があるため、長期的な利用には不向きです。

飲食店におすすめなのは?ケース別に解説

飲食店におすすめなのは?ケース別に解説

リースがおすすめのケース

・開業時の初期費用を抑えつつ、最新設備を導入したい
・年単位での長期的な利用を考えている
・明確な経営計画がある

開業時の初期費用を抑えつつ、最新設備を導入したい

厨房機器、空調設備、レジシステムなど、長期的に使用する高額な設備を導入したい場合に最適です。新品の最新モデルを比較的安価な月額料金で利用できるため、開業資金の負担を軽減できます。

年単位の長期的な利用を考えている

冷蔵庫やオーブンなど、一度設置したら数年は使い続けることが前提の設備は、リースの方がトータル費用を抑えられる可能性が高いです。

明確な経営計画がある

経営が安定するまでの期間をしっかりと見通せている場合、途中解約のリスクを考慮しても、リースの低額な月々の支払いは大きなメリットとなります。

レンタルがおすすめのケース

・短期間だけ設備を利用したい
・設備の購入までのつなぎとして使いたい
・メンテナンス費用を心配したくない

短期間だけ設備を利用したい

季節限定のイベントや、店舗のリニューアル期間中の仮設備としてなど、数ヶ月以内の短期的な利用に便利です。

設備の購入までのつなぎとして使いたい

将来的に設備を購入する予定があるが、それまでの期間だけ利用したい場合は、途中解約が可能なレンタルがおすすめです。

メンテナンス費用を心配したくない

故障や修理の際に予期せぬ出費を避けたい場合、保守・修繕義務がレンタル会社にあるレンタルを選ぶと安心です。

契約前に必ず確認!飲食店経営者が知っておくべき注意点

契約前に必ず確認!飲食店経営者が知っておくべき注意点

リースやレンタルを賢く活用するためには、契約内容を十分に理解し、リスクを把握しておくことが不可欠です。

・ランニングコストやトータル費用を考慮する
・リースの途中解約はできないことを肝に銘じる

ランニングコストやトータル費用を考慮する

リースとレンタル、どちらの場合も、契約期間中に支払う総額がいくらになるかを事前に計算しておきましょう。特にリースは、月々の支払いが少なく見える反面、トータルの支払額は設備を現金で購入するよりも高くなるケースがほとんどです。また、リースの場合は修理費用、レンタルの場合は割高な日額料金など、隠れたコストも考慮して比較検討することが大切です

リースの途中解約はできないことを肝に銘じる

リース契約の最大の注意点は、途中解約が原則として不可能であることです。飲食店経営は、景気の変動や競合店の出現など、多くの不確実性を伴います。万が一、経営がうまくいかず店舗を閉鎖することになった場合、リースの残債を一括で支払うことは、大きな財政的負担となります。閉店時には、物件の原状回復工事費用や、その他の清算費用もかかるため、リースの残債が重荷にならないよう、将来のリスクも十分に考慮して慎重に判断しましょう。

リースやレンタルに関するQ&A

リースやレンタルに関する、よくある質問にお答えします。

Q.リースとレンタルの法律上の違いは?

A.定義や扱いに違いがあります。

民法上、レンタルは「賃貸借契約」に該当します。一方、リースは金融取引としての性格が強く、民法上の賃貸借契約の範疇を超えた「物融」と表現されることもあります。また、法人税法においては、リースを「途中解約ができない」「資産の使用に伴う費用を借主が負担する」などの条件を満たす賃貸借として定義しています。リースの契約期間が、その設備の法定耐用年数を基準に設定される点も、法律上の違いとして覚えておきましょう。

Q.リースやレンタルと割賦の違いは?

A.割賦は「購入」であり、リース・レンタルは「賃借」です。

割賦販売は、設備代金を分割で支払う購入方法の一つです。所有権は代金を全額支払い終えるまで販売会社にありますが、代金支払い完了後は購入者に移転します。リース・レンタルとの最も大きな違いは、最終的に設備が自分のものになるかどうかという点です。割賦は、利息や手数料を含めても、多くの場合、トータルの費用がリースやレンタルよりも安くなります。しかし、初期費用や月々の支払額はリースよりも高くなる傾向があります。

Q.リースやレンタルと購入ではどれが一番お得?

A.総合的に見ると、長期契約の場合は購入が最も安く、短期契約の場合はレンタルが有利になることが多いです。

設備を一括購入する場合、リースやレンタルで発生する手数料や利息がかからないため、トータルの支払額が最も安くなります。しかし、多額の初期費用が必要となるため、開業時に資金繰りを圧迫する可能性があります。一方、リースは初期費用を抑えつつ、長期間にわたって最新設備を利用できるため、資金繰りの面で有利です。レンタルは、短期利用に特化しており、不要になったらいつでも解約できる点が最大のメリットです。費用面だけでなく、資金繰り、柔軟性、保守・管理といった複数の視点から総合的に判断することが重要です。

リースとレンタルの違いを知り、上手に利用しましょう

リースとレンタルは、それぞれに異なる特徴とメリット・デメリットを持っています。飲食店を開業・経営する際は、これらの違いをしっかりと理解し、自店の経営状況や設備導入の目的に合わせて最適な選択をすることが不可欠です。

  • リースは、長期的に最新設備を使いたい場合に適しています
  • レンタルは、短期間だけ手軽に利用したい場合に便利です

賢く選択し、適切な資金計画を立てることで、あなたの店舗経営はより安定したものになるでしょう。

レンタルやリースを駆使しても経営が安定せず状況が厳しい場合は移転・閉店を考えるのも一つの手段です。 「店舗買取り.com」は、飲食店経営者様の閉店・撤退・店舗売却を専門にサポートするサービスです。業界初の「売却手数料0円」で、あなたの店舗を次のオーナーにスムーズに引き継ぐお手伝いをします。コストを抑えて早期に店舗を売却したいオーナー様は、ぜひお気軽にご相談ください。

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