飲食店経営の鍵「回転率」とは?
回転率とは、客席数に対しお客様が入れ替わった回数
回転率(回)=来店客数÷客席数
回転率とは、店舗の客席数に対してお客様が何回入れ替わったかを示す指標です。「1日の来店客数÷客席数」で算出され、「回転数」とも呼ばれます。たとえば、客席数が20席ある飲食店で1日に60人来店した場合、回転率(回転数)は3回になります。
回転率は、飲食店の売上を左右する重要な指標です。特にランチやディナーなどのピークタイムの回転率は、売上に直結するため、飲食店オーナーの方は必ず把握しておきましょう。
業態別飲食店の回転率
飲食店の回転率は、店舗の業態や客席数などによって大きく異なります。ブランドイメージやコンセプトも影響し、価格帯が安く、お客様の滞在時間が短い牛丼屋などでは、回転率が高くなる傾向にあります。
飲食店の業態 | 回転率の目安 |
---|---|
牛丼屋、立ち食いそば屋 等 (低価格帯、短い滞在時間) |
20回〜 |
レストラン、居酒屋 等 (価格や滞在時間が中程度) |
2〜3回 |
フルコースの高級レストラン 等 (高価格帯、長い滞在時間) |
1回 |
その他の売上に関わる重要な計算式
飲食店の売上を考える上で、「売上高」「客単価」「客席稼働率」は特に重要な指標です。
売上に関わる数字の計算式 | |
---|---|
売上高 | 客席数×回転率×客単価×営業日数 |
客単価 | 売上÷来店客数 |
客席稼働率 | 利用されている客席数÷総座席数 |
売上高は、回転率または客単価(あるいはその両方)を上げることで、アップが見込めます。客単価とは、お客様一人あたりが一度の来店で支払う平均金額のことです。メニューの価格設定や、追加注文・セットメニューを促すことで客単価を上げることができます。
客席稼働率とは、店内の客席のうち、実際に利用されている割合を示す指標です。たとえば、全20席の店舗で全てのテーブルが埋まった状態で16席が使われていた場合、客席稼働率は80%となります。4人掛けテーブルを2名で利用するケースでは、最大着席数以下での利用となるため、客席稼働率は低下します。客席稼働率の目安は70%と言われているため、ご自身のお店の客席稼働率を考える参考にしてください。
飲食店の「売上」とそれを左右する「回転率」の関係とは?
ここまで回転率をはじめ、売上に関わる数字の計算方法を見てきました。では、回転率が上がると具体的に売上はどう変わるのでしょうか。ここでは、回転率と売上の関係性について解説します。
回転率が上がると売上アップにつながる
一般的に、お店が忙しくなるピークタイムの回転率が高いほど、売上はアップします。これは、回転率が高い=多くのお客様が入れ替わっているため、注文数もお客様の数に比例して増えるからです。
特に、リーズナブルな価格帯のお店や、お客様の滞在時間が短いお店は、回転率が売上に直結しやすい傾向にあります。このようなお店では、回転率を上げるための工夫が売上アップにつながるでしょう。
【回転率と売上が比例しやすい飲食店の例】
ファストフード店、牛丼屋、立ち食いそば屋 など
回転率を重視しすぎない方が良いお店もある
回転率は売上アップの重要な指標ですが、すべての飲食店に当てはまるわけではありません。業態の特性上、回転率を上げにくい店舗や、回転率を上げることよりも「お客様にゆっくりと過ごしてもらうこと」を重視した方が良いケースも存在します。
具体的には、客単価が中程度で滞在時間が長くなりがちなカフェや、高単価で質の高いサービスを提供するレストランなどが該当します。こうした店舗では、無理に回転率を上げようとすると、お店のコンセプトや顧客満足度を損なうことにもなりかねませんので注意が必要です。
【回転率と売上が比例しにくい飲食店の例】
居心地のよいカフェ・喫茶店、フルコースの高級レストラン など
売上アップを目指す!飲食店の回転率を上げる5つの方法
具体的に回転率を上げるにはどうすればよいのでしょうか。ここでは、実際に売上アップにもつながる回転率をあげる5つの方法を解説します。
注文から会計までの時間を短縮する
注文や会計にかかる時間を短くするためには、オペレーションの見直しが効果的です。具体的には、お客様自身のスマートフォンでQRコードを読み取って注文してもらう方法や、テーブルのタブレット端末から注文してもらう方法、食券制を導入し着席前に注文を完了させる方法などがあります。
また、会計時間を短縮するには、キャッシュレス決済の導入が有効です。ただし、現金での支払いを希望するお客様もいるため、現金対応も忘れずに行いましょう。これらの方法を複合的に取り入れることで、お客様の待ち時間を減らし、スタッフの作業負担も軽減できます。
【ポイント】
- 座席に注文用の端末を設置する
- キャッシュレス決済を導入する
メニューを厳選し、見やすく工夫する
豊富なメニューは魅力的ですが、お客様が注文を迷う原因にもなりがちです。また、文字だけのメニュー表も料理のイメージが湧きにくく、選択に時間がかかってしまうことがあります。
お客様がスムーズにメニューを決められるよう、メニュー数を絞ったり、写真付きのメニュー表を用意したりといった工夫がおすすめです。料理のイメージが伝わりやすくなることで、注文までの時間が短縮され、回転率の向上につながります。
【ポイント】
- 写真付きのわかりやすいメニュー表に変える
- メニュー数が多い場合は数を厳選する
料理の提供時間を短縮する
注文からお客様に料理を提供するまでの時間を短縮することも、回転率を上げる上で重要です。この時間を短縮するには、できる限りの仕込みを済ませておくことや、調理マニュアルを作成することが効果的です。
ただし、提供時間を短くすることだけを意識して料理の質が落ちてしまっては本末転倒です。品質を保ちつつ時間を短縮できるよう、調理工程の見直しやマニュアル化を進めましょう。また、スタッフ間の連携や役割分担を徹底することも、提供時間の短縮には欠かせません。
【ポイント】
- 調理工程をマニュアル化する
- スタッフ間で連携・役割分担を徹底する
カウンター席や相席を活用して空席を減らす
来店人数に対して空席が多くなってしまうと、売上を伸ばす機会を逃してしまいます。少人数の来店時にはカウンター席へ案内したり、相席しやすいレイアウトに変更したりといった工夫で、空席を減らし、客席稼働率を上げることが可能です。
たとえば、4人掛けのテーブルに3名で座った場合、空席が1つ発生してしまいます。使われていない席が多い状態は売上低下につながるため、客席稼働率70%を目指して検討しましょう。
【ポイント】
- 1〜2名で来店したお客様はカウンター席に案内する
- テーブルに仕切りを設けるなど、相席しやすい工夫をする
座席のレイアウトを工夫し滞在時間を短くする
お客様に「長居し過ぎない雰囲気」をさりげなく作り出すことで、回転率を上げることができます。ゆったりと居心地が良すぎる空間は、お客様の滞在時間が長くなり、回転率が低下する傾向にあるためです。
具体的な方法としては、テーブルを小さめにしたり、ピークのランチタイムのみ立ち食い形式にしたりなどの工夫が考えられます。小さなテーブルは、片付け作業もスムーズになり、より効率的な店舗運営につながるという相乗効果も期待できます。
ただし、お客様に「居心地が悪い」と感じさせてしまうと逆効果です。無理のない範囲で導入し、お客様の満足度を下げないように注意しましょう。店舗のコンセプトによっては、長居してもらう方が売上アップにつながることもあるため、ご自分のお店の業態や傾向をしっかりと見極めることが大切です。
【ポイント】
- テーブルや椅子は小さめのものを選ぶ
- 立ち食い形式を取り入れる
- ピーク時のみ時間制限を設ける
回転率だけに頼らない!飲食店の売上アップ方法
回転率の向上だけでは売上に直結しにくい業態の飲食店は、ご自分のお店の業態に合わせた顧客へのアプローチが欠かせません。売上アップのために、以下の工夫を検討してみましょう。
【売上アップのための主な工夫】
- メニューやサービス内容を見直す
- リピーター施策を行う
- スタッフの接客スキルを向上させる
- 集客方法の見直しやPR強化を行う
- コンセプトや収支管理を見直す
- 市場のトレンド・ニーズをリサーチする など
売上アップのためには、期間限定メニューや新メニュー開発、リピーターになってもらうためにクーポンやポイントサービスを展開するなどが効果的です。また、料理の提供だけでなく、お客様におすすめメニューを紹介するなど、スタッフの接客スキルを高めることも重要な要素となります。
最近では、SNSやホームページを活用したPR活動も活発に行われています。経営面に課題を感じている場合は、コンセプトの見直しや収支の把握・管理、市場のトレンドやお客様のニーズ調査も行い、多角的に改善策を探していくことが大切です。
それでも解決しない場合は?飲食店の売却という選択肢
回転率を上げる施策やサービス、経営面の改善を試みても状況が好転しない場合は、最終手段として店舗移転・閉店を視野に入れて今後の方針を検討する必要があるかもしれません。しかし、店舗移転・閉店には以下のようなさまざまな費用がかかります。
【店舗移転・閉店に必要なもの】
- 原状回復工事費用
- 解約予告期間中の賃料
- 償却費 など
これらの費用を抑えて店舗移転・閉店を進めたい場合は、現在の店舗物件の「居抜き売却」がおすすめです。居抜き売却とは、店舗の内装や設備をそのままの状態で売却することです。次のオーナー様は看板を変えるだけで明日からでも営業を始められる状態のため、売買が成立しやすいという特徴があります。
居抜き売却なら、通常かかる原状回復工事費用や解約予告期間中の賃料などが発生せず、店舗移転・閉店時の費用を大幅に軽減できます。また、テナント貸主との交渉や各種手続きが必要となるため、専門知識を持つ業者に相談して進めるのがおすすめです。
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居抜き売却を相談する回転率を意識して売上アップにつなげよう!
飲食店の回転率の考え方や重要性、そして改善方法について解説しました。回転率は飲食店経営における重要な指標の一つです。経営者だけでなく従業員も常に意識して営業することで、売上アップにつなげることができるでしょう。
回転率改善は日々の努力が不可欠ですが、もし様々な施策を試しても思うような成果が出ない場合は、一度立ち止まって事業の未来を考えることも大切です。そんな時は、店舗の売却・撤退・閉店などを一貫してサポートする「店舗買取り.com」にご相談いただければ、業界初の「売却手数料0円」で、オーナー様の課題解決を全力でサポートいたします。
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