イニシャルコストとは何か
イニシャルコストとは、事業の開始・機器の導入などに必要な費用のこと
イニシャルコストとは、店舗の事業開始や開始新規事業の立ち上げ、新しい設備・機器を導入する際に必要となる費用のことです。日本語では「初期費用」や「導入費用」と訳されます。英語の「initial(最初の、初期の)」と「cost(費用)」を組み合わせた言葉です。
イニシャルコストの実例
- 店舗を借りる際の初期費用
- 設備や備品の購入費用
- 人材採用にかかる費用
- システム導入費用 など
飲食店を開業する際に必要となるイニシャルコストには、物件の敷金・礼金、保証金、仲介手数料といった店舗を借りるための費用や、設備・備品を揃えるための費用が含まれます。
さらに、お客様の予約や会計に使うシステムの導入費用、スタッフを雇用する際の求人広告費用なども、すべてイニシャルコストです。
ランニングコストとは何か
ランニングコストとは、事業運営のために継続的にかかる費用のこと
イニシャルコストとよく似た言葉に、「ランニングコスト」があります。ランニングコストとは、経営を続けていくうえで定期的に発生する費用のことで、日本語では「継続費用」と訳されます。
ランニングコストは、飲食店の売上の有無にかかわらず、経営を続けていく限り必ず発生する費用です。この費用を見積もるのが甘いと、わずか数ヶ月で資金繰りが厳しくなる可能性もあるため、徹底した収支管理が欠かせません。
ランニングコストの実例
- 賃料
- 水道光熱費
- 人件費
- システム利用料 など
飲食店経営において、実際に発生するランニングコストとして、店舗の賃料や水道光熱費、人件費などが挙げられます。特に物件の賃料は、賃貸契約を結んでいる限り、売上がゼロでも毎月一定額を支払わなければならない、代表的なランニングコストです。
また、月額料金を支払って利用する販売管理や顧客管理のクラウドサービスなども、ランニングコストの一種と言えます。
イニシャルコスト・ランニングコストの大きな違い
イニシャルコスト | 新規事業開始・機器導入などにかかるコスト |
---|---|
ランニングコスト | 開始後、事業運営のために継続的にかかるコスト |
イニシャルコストとは、初期費用や導入費用にあたり、事業をスタートする際にかかる費用です。一方、ランニングコストは事業の継続にかかる費用であり、この2つは対義語としてまったく反対の意味を持っています。
ただし、事業を行ううえでは、イニシャルコストとランニングコストの両方を考慮しないと経営に負担がかかります。資金難に陥らないためにも、2つの費用について事前に確認したり計画を立てたりすることが重要です。
ライフサイクルコストとの関係性
ライフサイクルコストとは、購入してから廃棄されるまでにかかる全体費用のこと
ライフサイクルコストとは、建物や製品が誕生してから廃棄されるまでにかかる費用の総額です。日本語では「生涯費用」と訳され、イニシャルコストとランニングコストを合計したものと考えてよいでしょう。
飲食店経営に当てはめると、店舗の立ち上げから日々の営業、そして閉店時の原状回復工事や資産売却まで、すべての費用を指します。
イニシャルコストを削減するメリット
飲食店経営において、イニシャルコストを抑えることにはいくつかのメリットがあります。主なメリットを詳しく見ていきましょう。
イニシャルコストの回収期間を短縮できる
イニシャルコストを抑えると、収益を上げるまでの時間を短縮できます。イニシャルコストが高額だと、最初の数ヶ月は赤字になることがほとんどです。イニシャルコストを抑えて短期間でイニシャルコスト分の収益を回収できれば、早期の黒字化も可能になります。
また、開業資金を借り入れている場合、早期に返済することで、利息などの余計な経費を削減できるのも大きなメリットです。
ランニングコストよりも費用を削減しやすい
イニシャルコストは飲食店を開業する際の最初に1回だけ必要な費用です。そのため、毎月継続してかかるランニングコストに比べて、費用を抑えやすいという側面があります。
例えば、飲食店で使う設備を導入する場合、リース契約や中古品購入が主な選択肢となります。中古品を購入する場合は最初にまとまった費用が必要ですが、リース料金の総額と比べると、中古品の方が費用を安く抑えられるケースも少なくありません。
イニシャルコストとランニングコストの合計を比較し、より費用を抑えられる方を選ぶことが重要です。
イニシャルコストを削減するデメリット
イニシャルコストを抑えることばかりに気を取られると、結果的にランニングコストが増えてしまうケースがあります。
例えば、価格の安さだけで中古の設備を選んでしまうと、故障が多くなり、メンテナンス費用がかさむ可能性があります。最悪の場合、修理が不可能になり、結局新しいものを買い直すことにもなりかねません。
このような事態を避けるためには、イニシャルコストとランニングコストの差額やバランスをよく考慮し、設備・機器の導入や運営を検討することが重要です。
イニシャルコストを削減する具体的な方法
イニシャルコストを削減するには、中古の設備や備品の活用、クラウドサービスの利用、そして居抜き物件の活用が有効です。ランニングコストとのバランスも考慮し、上手に費用を抑える方法を具体的に見ていきましょう。
中古の備品や設備を活用する
新しく飲食店経営を始める際は、中古の設備や備品を購入するとイニシャルコストを抑えられます。
一方で、前述した通り中古品にはメンテナンスなどランニングコストがかさむケースが想定されます。予想外の出費に苦しまないためにも、中古品の状態や動作をよく確認するなど、導入前に十分な検討を行いましょう。
クラウドサービスを活用する
イニシャルコストは、飲食店を開業する際の1回のみ必要な費用です。よって、毎月継続してかかるランニングコストよりも費用を抑えやすいでしょう。業務に関わるシステムは、クラウドサービスを利用するのがおすすめです。クラウドサービスを利用すれば、自社でサーバーやネットワーク機器を調達・保有する必要がなく、イニシャルコストを抑えられるでしょう。
飲食店の業務に使える具体的なクラウドサービスとして、販売管理や会計管理、在庫管理・人事管理・給与管理などが挙げられます。クラウドサービスを利用する場合、メンテナンスにかかる費用も基本的に不要です。
居抜き店舗物件を活用する
新しく店舗を開業する際に、内装や厨房設備がそのまま残っている居抜き物件を活用する方法も、イニシャルコストを大幅に削減する手段となります。
居抜き物件であれば、解体や内装工事の費用を抑えられるほか、厨房設備や空調などをそのまま利用できるため、購入費等のイニシャルコストを節約できます。物件によっては、前借主から造作購入費を支払うケースもありますが、スケルトン物件に比べて初期投資を抑えやすいのが大きなメリットです。
【経営者必見】イニシャルコストは早期回収が重要
飲食店経営におけるイニシャルコストは、可能な限り早期の回収を目指しましょう。イニシャルコストは、飲食店経営を始める際に必須の費用です。しかし、あれこれとこだわって費用をかけすぎると、経営を苦しめる原因になってしまいます。
飲食店経営をする場合、内装や厨房設備は事業を行ううえで最低限度に留めるのが得策です。経営者の方はイニシャルコストを早期に回収し、経営の黒字化を常に意識しましょう。
店舗移転でのイニシャルコスト削減なら「店舗買取り.com」
ここまでに解説した通り、イニシャルコストをいかに抑えられるかが、飲食店経営において重要です。事業の拡大や変更で新天地への店舗移転を検討している経営者の方も多いでしょう。新しい店舗への出店を考える際、現在の店舗をどうすべきか悩む方も少なくありません。退去費用や手続き、次の借り手探しなど、ご自身で対応するには大きな負担です。
そんな時は、居抜き売却という方法で、店舗移転にかかるイニシャルコストを削減できる可能性があります。飲食店の退去や閉店に関するお悩みを解決する、当サイトの姉妹サイト「店舗買取り.com」にご相談ください。居抜き物件として売却すれば、内装や厨房機器をまとめて売却することで、撤退費用を抑えながら、次の出店資金を確保できます。
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居抜き売却を相談するコストのバランスを見極めて安定した経営を
イニシャルコストは、飲食店の開業時に必要な初期費用です。ご紹介した内容を参考に、基礎的な知識を深めていきましょう。
飲食店経営は簡単なことではなく、撤退を考える経営者も少なくないのが現状です。イニシャルコストを上手に抑える方法や、ランニングコストとのバランスを考慮することで、経営が安定する可能性が見えてくるでしょう。
現在の立地や店舗で経営が安定しない場合は、新天地で再出発するのも一つの手段。飲食店舗の売却を検討している経営者様には、「居抜き物件」がおすすめです。設備や内装を残したまま売却でき、売却益が出る可能性もあります。
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