店舗移転の資金確保:「売却」と「税金」の関係を知ろう
飲食店の店舗売却には、居抜き売却をはじめとしたいくつかの方法があります。どの方法を選ぶにしても、店舗売却では大きな金額が動くため、税金の取り扱いには十分な注意が必要です。
特に重要なのが、「売却するものが何なのか(モノか、不動産か)」、そして「売主が個人か法人か」によって、かかる税金の種類や計算方法が異なる点です。まずは、ご自身の状況に合わせて「何を売却し、どんな税金がかかる可能性があるのか」を整理することから始めましょう。
「居抜き売却」で手元に残るお金が変わる?
居抜き売却とは、厨房機器などの造作物や内装をそのまま残した状態で、次のテナントへ店舗を売却する方法です。
- 賃貸店舗の場合:内装や厨房機器などの「造作物」が売却対象
- 自己所有店舗の場合:「造作物」に加えて「土地・建物」も売却対象
一般的にテナントが入居後に取り付けた厨房設備、空調、家具、照明などは「造作物」と呼ばれます。
居抜き売却の最大のメリットは、これらを資産として売却し、買取金(譲渡代金)を受け取れる点です。売り手にとっては「原状回復工事費用の削減」と「売却益の獲得」というダブルのメリットがあり、移転資金を確保したい方にとって非常に有効な手法です。
ただし、土地建物や一部の造作物を売却して利益が出た場合、その利益に対して税金がかかる点には注意しましょう。
飲食店の店舗売却で発生する主な3つの税金
実際に飲食店を売却する際にかかる税金は、大きく分けて以下の3つです。
「印紙税」は契約書を作成する際にかかる税金です。「譲渡所得税」は個人事業主が店舗を売却して利益が出た場合にかかる税金、「法人税」は法人が売却益を出した際にかかる税金です。
また、上記3つ以外にも、課税事業者(前々年の課税売上高が1,000万円を超えている場合など)であれば、売却代金に対して消費税も発生しますので、併せて覚えておきましょう。
飲食店の店舗売却にかかる税金1:印紙税
まずは、売却の契約時に必ず関わってくる「印紙税」について解説します。納税方法や金額、タイミングを事前に把握しておきましょう。
印紙税とは
印紙税とは、契約書などの「課税文書」(※)を作成した際に課せられる税金です。飲食店の店舗売却では「不動産売買契約書」や「譲渡契約書」を作成するため、印紙税が発生します。基本的に、造作物(内装や設備)だけの売買は「動産」の扱いとなるため、原則として収入印紙は不要とされるケースが多いですが、不動産取引に伴う契約や、契約内容によっては印紙が必要になる場合もあります。
納税方法は、郵便局やコンビニなどで「収入印紙」を購入し、契約書に貼り付け、消印(割り印)をすることで完了します。なお、最近普及している「電子契約」で契約を締結する場合は、紙の文書が存在しないため、印紙税は非課税(0円)となります。節税したい場合は電子契約が可能か確認してみると良いでしょう。
※課税文書とは
1.印紙税法別表第1の課税物件表にある20種類の文書で証されるべき事項が記載されており、課税事項を証明する目的で作成された文書のこと。
2.印紙税法第5条により、印紙税を課税しないものとされている非課税文書に当てはまらない文書のこと。
【契約金額別】印紙税金額一覧
印紙税の金額は、契約書に記載された売却金額(契約金額)によって決まります。
なお、不動産の譲渡に関する契約書については、軽減税率が適用される期間があります。
(※最新の適用期間は国税庁HP等でご確認ください)
一般的な契約金額ごとの印紙税額は以下の通りです。
| 売却金額 | 印紙税(原則) | 軽減税率適用時 |
|---|---|---|
| 10万円〜50万円以下 | 400円 | 200円 |
| 50万円〜100万円以下 | 1,000円 | 500円 |
| 100万円〜500万円以下 | 2,000円 | 1,000円 |
| 500万円〜1,000万円以下 | 10,000円 | 5,000円 |
参考:国税庁 印紙税額の一覧表
印紙税を支払うタイミング
印紙税を支払う(収入印紙を貼る)タイミングは、売買契約の締結時です。契約当日、契約書にサインをするタイミングで収入印紙を貼付・消印するため、それまでに必要な金額分の収入印紙を用意しておく必要があります。
コンビニでは基本的に200円の収入印紙しか扱っていないことが多いため、数千円〜数万円の収入印紙が必要な場合は、事前に郵便局や法務局で購入しておきましょう。
飲食店の店舗売却にかかる税金2:譲渡所得税 (個人事業主のみ)
ここからは、経営主体ごとの税金について解説します。まずは、個人事業主が店舗を売却した際に発生する「譲渡所得税」です。
譲渡所得税とは
譲渡所得税とは、不動産や借地権などの資産を売却した等の利益(譲渡所得)に対してかかる税金です。所得税や住民税として徴収されます。
注意が必要なのは、売るものによって「所得の種類」が変わるという点です。
消耗品や10万円以下の物品、棚卸資産(在庫となった商品や原材料のこと)は、原則として「事業所得」として扱われ、他の所得と合算して計算されます。また、譲渡所得税課税の対象物であっても、使用可能期間が1年未満、もしくは取得価額が10万円未満の減価償却資産の売却であれば、これらも「事業所得」扱いとなります。一方、土地や建物などは「分離譲渡所得」として、他の所得とは分けて計算する必要があります。
譲渡所得税の計算方法
不動産(土地・建物)を売却した場合の計算式は以下の通りです。
×
税率
取得費はその店舗を買った時の代金や手数料・改良費など、譲渡費用は売る時にかかった仲介手数料や印紙税などの事を言います。
利益(譲渡所得)に対してかかる税率は、その物件を所有していた期間によって大きく異なります。
| 所有期間(※) | 税率合計(所得税・住民税等) |
|---|---|
| 短期譲渡(5年以下) | 39.63% |
| 長期譲渡(5年超) | 20.315% |
※所有期間は、売却した年の1月1日時点で5年を超えているかどうかで判定します。
5年を超えて保有していると税率が約半分になるため、移転のタイミングを検討する際は「所有期間」も確認しておきましょう。
譲渡所得税を支払うタイミング
| 所得税 | 売却した翌年の確定申告期間(2月16日〜3月15日)に納付 |
|---|---|
| 住民税 | 確定申告後の6月以降(自治体から通知が届き、通常年4回に分けて納付) |
売却代金が入ってから税金の支払いまで期間が空くため、使い込んでしまわないよう納税資金を残しておくことが重要です。
飲食店の店舗売却にかかる税金3:法人税(法人のみ)
続いて、法人が店舗を売却した場合の「法人税」について解説します。
法人税とは
法人税とは、法人の事業活動で得た所得にかかる税金です。個人の場合と異なり、店舗売却で得た利益も「法人の事業利益」の一部として扱われます。そのため、「譲渡所得」として分けるのではなく、本業の儲けと合算した「法人所得」に対して課税されます。
法人税の計算方法
店舗売却益を、本業の営業利益などと合算して計算します。もし、移転に伴う経費がかさんで事業年度全体が赤字になる場合は、売却益と相殺することができるため、結果として税金を抑えられるケースもあります。
【参考税率の例】資本金1億円以下の普通法人の場合
- ・年800万円以下の部分:15%
- ・年800万円超の部分:23.2%
※これに地方法人税や法人住民税などが加わります
法人税を支払うタイミング
法人税の申告・納付期限は、原則として決算日(事業年度終了日)の翌日から2ヶ月以内です。
店舗を売却して事業を継続する場合(移転など)は、通常の決算申告に含めて処理します。もし店舗売却に伴い法人を解散する場合は、「解散日の翌日から2ヶ月以内」に解散確定申告を行い、その後清算手続きが完了した段階で清算確定申告を行う必要があります。
「店舗買取り.com」で移転コスト削減&売却益最大化を実現
ここまで税金について解説してきましたが、移転資金を確保するためには「税金を正しく知る」ことだけでなく、「手元に残る現金をいかに増やすか」が重要です。
上図は、賃料50万円・20坪の飲食店を売却した場合の比較です。
通常の解約・退去では、数百万円規模の「原状回復工事費用」や「解約前家賃」がかかり、保証金がほとんど返ってこないケースも珍しくありません。しかし、「店舗買取り.com」であれば、以下のメリットがあります。
| ・原状回復費用が0円: 内装や設備をそのまま引き継ぐため、工事費がかかりません。 |
| ・造作買取金の獲得: 厨房機器や内装に値段がつき、プラスの収入になる可能性があります。 |
売却時のコストを極限まで抑えつつ、売却益を得ることで、次の店舗への移転費用をより多く確保できます。
税金を理解して賢く売却!スムーズな店舗移転を実現しよう
飲食店の店舗売却は、動く金額が大きいため、税金の影響も無視できません。「思ったより手元にお金が残らなかった」と後悔しないよう、事前に税金の種類や支払うタイミングを把握しておきましょう。
また、少しでも有利な条件で店舗を売却し、移転資金を確保したいとお考えであれば、ぜひ「店舗買取り.com」にご相談ください
「店舗買取り.com」は、飲食店に特化した専門会社として、業界初の売却手数料0円を実現。査定から売却、契約書の作成までトータルでサポートいたします。税金への不安はもちろん、売却手続き全体のご相談も承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。
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