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飲食店の課題を解決!解決に向けた5つのポイントと具体例を紹介
2025.06.16
飲食店経営には様々な課題がつきものです。しかしその課題は乗り越えられないものではありません。今回は、飲食店が抱える主な課題を元に、解決し、店舗経営を成功に導くための具体的な対策について詳しく解説します。
飲食店を取り巻く課題
1.利益が出にくい構造 |
2.深刻な人手不足 |
3.感染症対策の負担 |
4.物価高騰によるコスト増 |
飲食業界は、新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受け、消費者の消費行動が変化したことにより、テイクアウトやデリバリーの需要が増加するなど、新たな局面を迎えています。そのため、2021年の研究では対象の50%近くの飲食店が新サービスとしてテイクアウト・デリバリーを始めたと回答しています。
一方で、世界各地での紛争や円安による物価高などにより、2022年の中小企業庁の調査では、飲食業の廃業率が全産業トップの5.6%に及んでいます。なぜ飲食業の廃業率が他の産業に比べて高いのか、飲食店が直面している課題について見ていきましょう。
【廃業率】
全産業 | 宿泊業・飲食サービス業 |
---|---|
3.3% | 5.6% |
利益が出にくい構造
飲食店の廃業率が高い理由として、利益率の低さが挙げられます。飲食業の利益率は10%程度で、他業種に比べて利益が出にくい構造になっています。また客単価が低い一方、原材料費や人件費などの変動費の割合が高いため、売上変動の影響を受けやすいという点も利益が出にくい一因です。受けた影響を自身の店舗のみで解決することが難しいことも多いです。
深刻な人手不足
飲食業は、長時間労働や低い賃金というネガティブなイメージから、慢性的に人手不足が課題となっています。また人件費削減のためにアルバイトや派遣などの非正規雇用の従業員に頼ることで、人材の定着率が低いのも人手不足の要因となっています。
感染症対策の負担
新型コロナウイルス感染症による飲食業界への影響は戻りつつありますが、衛生管理や換気対策などの感染症対策は引き続き必要でしょう。消毒液やパーテーションの設置、十分な換気、従業員の体調管理など、飲食店でのコストや従業員の業務負担は続きます。
物価高騰によるコスト増
原油価格や、電気・ガス代などの光熱費の高騰は、飲食店の経営を圧迫しています。円安も進み、原材料、ガソリン代などの輸送費の高騰により、飲食店の経営へいくつもの問題が重なっています。消費者の賃金が上がらない中、消費者のことを思うと簡単に値上げができない状態が、飲食店経営の悩みとなっています。
飲食店の課題解決のチェックポイント5つ
飲食業界を取り巻く課題に対して、飲食店をどのようにして経営していくべきなのでしょうか。課題解決に向けて、考える際の5つのポイントをご紹介します。
1.お客様に満足していただけているか
お客様に満足いただき、リピートしていただく・リピーターになっていただくことが、収入の安定化のポイントです。その顧客満足度を図る指標「QSC」を徹底しましょう。
お客様アンケートなどを実施し、料理の味、提供スピード、接客態度、店内の清潔感などに関する意見を集める・改善することでリピーターを増やすことに繋がります。なお、お客様アンケートは回答してもらうことが難しいため、一品サービスなどの何かしらインセンティブを用意すると回答してもらいやすくなります。
【QSCとは?】
QSCとは、「Quality(サービスの品質)」「Service(接客の質)」「Cleanliness(清潔さ)」の頭文字を取った飲食店経営の基本となる重要な指標です。この3要素はお客様の満足度を直接左右し、安定した収入に関係するリピーター獲得にも影響を及ぼします。
2.業務を効率化・デジタル化できているか
飲食業界の課題となっている人手不足・コスト増加を改善する施策として、業務のデジタル化や自動化が挙げられます。注文用タッチパネルや配膳ロボットの導入等のデジタル化・自動化をすることによって、業務効率を大幅に改善することができます。
例えば、シフト管理や給与管理などの事務業務、オーダーなどにかかる手間は、デジタル化や自動化で解決できる部分です。なおデジタル化を行うにあたり、システム利用料や設置の初期費用が発生するため、費用対効果も考慮し、コストが飲食店経営に影響しないかどうか注意が必要です。
3.無駄なコストをかけていないか
飲食店経営をしていく上で、FLR比率を70%以内にすることを意識しましょう。FLR比率とは、「Food(食材費)」「Labor(人件費)」「Rent(家賃)」で飲食店の基本的なコストのことを言います。FLR比率は70%以内が理想と言われているため、それを超えているのであればコストを見直す必要があると言えます。
下記計算式でFLR比率は求められます。FLR比率を意識し、無駄なコストはないか徹底的に検討しましょう。コスト削減には、食材の仕入れルートの見直しや、エネルギー使用量の最適化などの見直しが有効です。
FLR比率(%)=(食材費+人件費+家賃)÷売上高×100
4.人材の採用や育成制度が整備できているか
人材の採用・育成について、どの程度制度を整備できているでしょうか。優秀な人材を確保するためにも、集めるだけではなく、採用から定着、継続的な成長を促す育成制度を整える必要があります。
質の高いサービスを提供し続け、顧客満足度や売上を向上させるためには、従業員一人一人が能力を最大限に発揮できる整備が必要です。
5.労働環境が悪くなっていないか
現在経営している飲食店は、長時間労働・休日が少ないなど、飲食業界のネガティブなイメージにつながる労働環境になってしまってはいないでしょうか。人手不足が課題となっている飲食業界において、スタッフが長く働きたいと思える労働環境の整備は不可欠です。
今すぐの改善は難しい場合でも、店舗内のトラブルや、労働条件の見直しなどのできる部分から少しづつ進めましょう。従業員が安心して長く働きたいと思えるような労働環境を積極的に作り上げていくことが、最終的には提供するサービスの質や顧客満足度の向上に繋がります。
飲食店でできる5つの改善方法
飲食業界の課題や解決するための観点を元に、これから具体的な改善策をご紹介します。
収支を徹底管理し、無駄をなくす
飲食店経営において基本でありながら、疎かになりがちなのが収支管理です。経営者自らが日々の収入と支出を把握し、管理を徹底することで、無駄なコストや改善すべき点が明確になります。仕入れを問屋任せにするだけでなく、定期的に見直すようにしましょう。
例えば、箸や紙ナプキンといった消耗品は、同業者やグループ店舗で共同仕入れをすることで、仕入れコストの削減や手間を省くことができます。細かい工夫が、大きなコストカットに繋がります。
DX化を進める
DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、デジタル技術を活用してビジネスモデルやサービスを変革し、競争力を高める取り組みのことを指します。具体的には、以下のようなデジタルツールの導入が考えられます。
できるところからDX化を進めることで、スタッフの業務負担が軽減され、人件費の削減にも繋がります。また、顧客体験の向上にも寄与し、リピート率アップに繋がる可能性もあります。
【DX導入の例】
・ネット予約
・台帳のweb化
・POSレジ・POSシステム
・QR決済・キャッシュレス決済
・スマートフォン・タブレットからの「セルフオーダー」
・ロボット配膳 など
顧客・流行を掴み、効果的なPRで集客する
飲食業界のトレンドは非常に速く変化します。常に最新の情報をキャッチし、それを日々の営業に活かすマーケティング力が、競合との差別化を図る上で重要です。目の前の業務に追われるだけでなく、世の中の流行に常にアンテナを張り巡らせましょう。
また、どんなに素晴らしいサービスや商品があっても、それがお客様に伝わらなければ意味がありません。SNSを活用した情報発信など、効果的なPR活動を通じて、考案した施策や商品を世の中に広く伝えることが大切です。マーケティングやPRは一朝一夕に身につくものではないため、軌道に乗るまでは専門業者に相談するのも一つの手です。
商品・店舗のサービス品質を向上させる
売上を伸ばすためには、サービスの品質を向上させることが必要です。新メニュー開発して既存顧客を飽きさせないようにしたり、客単価アップに繋がるような魅力的な施策を考えたりしましょう。
価格設定において、単なる安売りでは利益を確保することは難しいです。使用する食材の品質、店舗の雰囲気、提供するサービスなどを考え、「価値に見合った適正な価格」を設定することが重要です。近年では、価格だけでなく、食材の安全性や品質、提供される体験を重視する顧客層も増えています。
店舗移転・業態変更を検討する
社会情勢の変化は、飲食店の経営に大きな影響を与えます。例えば、新型コロナウイルスの流行をきっかけに、テイクアウトやデリバリーサービスを導入するなど、業態変更をして柔軟に対応する飲食店が増えました。実際に2019年から2021年にかけて、テイクアウト市場は大きく成長しています。
また、リモートワークの普及によりオフィス街の人流が変化するなど、立地による集客に課題が生じる場合もあります。もし現在の環境が集客に不利に働いているようであれば、店舗の場所やコンセプトを見直すことも有効な戦略です。その際には、お店のコンセプトやターゲット層に合った人の集客が見込める場所を選びましょう。
飲食店での成功事例3選
ここでは、実際にDX化に取り組んでいる「DX認定事業者」3社の事例をご紹介します。DX認定事業者とは、DX推進の準備が整っている企業であることを国に認定された事業者のことを指し、以下3社は国から認定されている企業です。
【事例1】すき家:調達から販売までの一元管理を徹底
株式会社 すき家
◆取組内容
株式会社 すき家は、牛丼を主力商品として販売し、牛丼チェーン店では日本1の店舗数を誇っています。
グループの規模を活かしたグループ内仕入共通システムを導入することにより、仕入れのコストを削減しています。店舗では、キャッシュレス決済の導入や顧客体験向上のための注文システム開発などに注力しています。調達から販売までを一貫して自社で管理することで、食の安全を担保しつつ、高品質な商品をリーズナブルな価格で提供することに成功し、人気を集めています。
【事例2】スシロー:業界先駆け!総合管理システムでフードロス削減
株式会社FOOD & LIFE COMPANIES
◆取組内容
回転すしチェーン店「スシロー」を主力事業としているFOOD & LIFE COMPANIESは、「回転すし総合管理システム」を導入し、食品のロス削減やコストの効率化を進めています。皿にICタグを付け、ネタが取られたタイミングをリアルタイムで把握し、そのデータを分析する。分析結果を元に需要予測を行うことで効率的な製造を行うことができるため、商品ロスの削減・コスト効率向上に成功しています。
【事例3】アイエスネクスト:DX推進を社内目標として継続的な改善を実現
株式会社アイエスネクスト
◆取組内容
ラーメン店やからあげ店を宮城県内を中心に展開しているアイエスネクストは、配膳ロボット・食券機導入による人手不足の解消だけでなく、売上データのデジタル化やチャットワーク等も導入しています。そのため、商品開発の強化やフードロス・コストの削減を実現し、業務効率化を推進しています。
また社内のDX推進の目標を達成するため、年2回の自己計画アセスメントと月1回の実行計画の見直し・評価を行う監査制度を確立しており、継続的な改善を実現させている点も注目されています。
なかなか改善されないなら「居抜き売却」で移転・業態変更
ここまで飲食店の課題解決に向けた様々な施策を紹介しましたが、時には現在の店舗や業態ではこれ以上の成長が見込めないと感じることもあるかもしれません。そのような状況で、現状維持にとどまるのではなく、店舗移転や業態変更という新たなステップを踏み出すために、現在の店舗を売却するという決断も有効な選択肢となります。
店舗を居抜き売却することで、まとまった資金を得られる可能性があります。この資金を元手に、新しいコンセプトの店舗を開いたり、より良い立地に移転したりと、ご自身の理想とする新しいビジネスのスタートを切るための、前向きな選択肢を生み出すことができるでしょう。
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課題の解決方法はたくさん!移転・業態変更も一つの手
飲食店を取り巻く課題とその解決策についてご紹介しました。多くの飲食店がDX化・DX推進などの工夫によって飲食店の経営改善に努めています。しかし、時に現在の店舗や事業形態では、これ以上の発展が難しいと感じる状況に直面することもあるでしょう。
その場合には、店舗移転や業態変更といった前向きな事業再編を考える上で、現在の店舗を売却することも有力な選択肢の一つです。店舗の売却をスムーズに進めるのであれば、売却・撤退・閉店を一貫してサポートする「店舗買取り.com」の利用をご検討ください。業界初の「売却手数料0円」を導入し、次のステップへ進むオーナー様をサポートいたします。まずはお気軽にご相談ください。
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