飲食店で漏水が発生した際にすぐ取るべき3ステップ
万が一、店内で漏水が発生した場合は、被害を最小限に抑えるために以下の手順を即座に実行してください。
- 1.一時的な止水措置
水道の元栓、または各設備にある「止水栓」を閉めて水の流出を止めます。 - 2.周囲の電源をオフ
感電や厨房機器の故障を防ぐため、濡れる恐れのある場所のブレーカーを落とすかコンセントを抜きます。 - 3.専門業者・管理会社へ連絡
自力での解決は難しいため、すぐに契約書に記載された貸主や建物の管理会社へ状況を伝えます。
応急処置が済んだら、まずは一安心です。落ち着いて次のステップに進むために、まずは「どのような被害が想定されるか」や、気になる「修理費・賠償の責任範囲」について確認していきましょう。
飲食店の水漏れによる被害
水漏れトラブルが起こると、飲食店ならではの深刻な被害が生じる可能性があります。飲食店での漏水被害は、衛生上の理由だけでなく、売上の大幅な低下や従業員への労働環境の悪化につながる点が大きな特徴です。
特に、厨房など水回りを多用する場所での漏水は広範囲に及ぶため、配管や床下などのチェックを怠ると被害が想像以上に拡大してしまいます。さらに、顧客からの信頼を損なうことも考えられるため、早期発見・早期対応が重要です。
営業できなくなるリスクが上がる
漏水が大規模に発生した場合、不衛生な状態での営業継続は、食品衛生法に基づく公衆衛生上の管理基準に抵触するリスクがあります。万一、汚水の混入により食中毒が発生すれば、保健所による営業停止処分や店名の公表など、取り返しのつかない事態を招きかねません。
設備の復旧や衛生状態の改善に多大な時間と費用がかかり、計画外の長期休業となるケースもあります。結果として顧客離れが起こり、売上損失だけでなく店舗の評判にも大きなダメージを与えかねません。
料理に汚水が入り込む
漏水が調理場付近や配管周辺で発生すると、汚水が料理に混入するリスクが高まります。特に排水管の詰まりや逆流によって起こる汚水混入は、不衛生な状態を引き起こすばかりか食中毒を誘発する危険が伴います。飲食店では一度食品事故を起こすと信頼回復が難しいため、漏水の早期発見と予防策が欠かせません。
害虫・害獣被害が発生しやすくなる
ゴキブリやネズミなどの害虫・害獣は、水と食べ物が同時に得られる環境を好む傾向があります。飲食店で漏水が起こると、床下や厨房周りの湿った空間に生息しやすくなり、結果的に衛生的な問題が深刻化します。
さらに、害虫の発生を放置すると周辺住民や他の店舗にも影響が及ぶため、トラブルの拡大を防ぐためにも早急な対策が必要です。
建物全体にダメージを与える
漏水が長期間放置されると、壁や天井、床などの内部素材が腐食・劣化し、建物寿命を大幅に縮めます。特に建物を支える構造部分(躯体)にまで影響が及べば、改修工事や大掛かりなリフォームが必要になるケースもあります。
こうした大規模な修理はコストが膨らむだけでなく、周囲のテナントにも迷惑をかける恐れがあり、テナント間トラブルの原因にもなり得ます。
水漏れの被害が拡大して補修費用がかさむ
小さな水漏れでも放置すると徐々に被害が広がり、最終的には大規模な補修工事が必要になる可能性があります。特に下層階への水漏れや配管破損は、複数の区画やテナントにまで影響が及ぶため、修繕費用の負担をめぐってトラブルに発展しがちです。オーナー様にとって突発的な修繕費の負担はリスクが大きく、計画的な保守点検により事前に予防することが重要です。
飲食店で起こりやすい漏水の主な原因
飲食店特有の設備や使用状況から、漏水の起きやすいポイントを把握しておくことが重要です。飲食店では、厨房設備や配管、そして大量の水と油を扱う環境が漏水リスクを高めます。
特に居抜き物件では、前テナントから引き継いだ配管や防水処理の劣化に気づきにくい点に注意しなければなりません。小さなひび割れや接合不良が生じると、水が浸透しやすくなるため、定期的な目視点検やプロによる専門的な調査を欠かさず行いましょう。
厨房設備・配管からの漏水
シンクや食器洗浄機といった設備周りの配管は、経年劣化や高頻度の使用によってトラブルが起きやすい箇所です。接続部分のパッキンが緩んだり、排水管内に油脂が詰まったりすると水があふれだし、床や壁に水が浸透してしまう場合があります。日常の清掃だけでなく、給水管や排水管の状態を定期的に点検することで思わぬ漏水を防ぎやすくなります。
天井・屋根・外壁からの雨漏り
雨漏りは経年劣化や建物の構造的な問題により、屋根や外壁に生じたひび割れ、防水処理の不備から発生するケースが多いです。飲食店では客席や厨房に水が落ちると営業中断の原因になりやすく、早期修復が求められます。定期的な外観チェックや大雨の後の確認を習慣化しておくと、大きな被害を未然に防ぐことに役立ちます。
排水管・グリストラップの詰まりや老朽化
飲食店で扱う油や食材カスは排水管やグリストラップに蓄積しやすく、定期清掃を怠ると詰まりを起こします。詰まりが起こると排水が逆流して水が溢れ出し、床や壁を濡らして漏水被害につながることもあります。とくに古い店舗では排水管自体の老朽化も懸念されるため、専門業者の高圧洗浄などを検討することが大切です。
漏水の兆候と見分け方
早期発見が被害を最小限にするカギです。日頃から店舗内外の異変に気を配りましょう。
天井・壁のシミや変色
シミや変色は水が浸透しているシグナルであり、放置すると建材の腐食が進む恐れがあります。小さなシミでも漏水箇所が拡大しているケースはよくあり、早期の修理や点検が必要です。飲食店ではインテリア面の印象も大きく、来店客に不潔なイメージを与えないためにも対策に取り組みましょう。
異臭や湿気
雑菌が繁殖すると独特のカビ臭が発生し、厨房内や客席にまでその嫌な臭いが広がることがあります。とくに普段は乾燥しているはずの場所が突然湿っぽく感じられるときは、漏水を疑うサインかもしれません。設備や壁面をこまめにチェックし、異常な湿り気があれば早めの対策を検討しましょう。
水道メーターの数値
夜間や定休日など水を使用しない時間帯に水道メーターが動き続けている場合、目に見えない箇所の給水管などで漏水している可能性が高いです。こまめにメーターを確認するだけでも、早期に水漏れを把握できるので習慣にするとよいでしょう。定期的な記録を行うことで正常値と異常値の差が分かりやすくなります。
漏水発生後の円滑な復旧に向けた対応ガイド
漏水が発生し、応急処置として「一時的な止水措置」「周囲の電源をオフ」「専門業者・管理会社へ連絡」が完了した後は、被害の全容把握と、関係各所との正確なコミュニケーションが復旧のスピードを左右します。
1.現場の状況を詳細に記録する
業者や保険会社へ報告するために、被害状況の記録は欠かせません。
| ・写真・動画の撮影 漏水箇所だけでなく、濡れてしまった厨房機器や什器、床・壁の被害を多角的に撮影します。 |
| ・発生時刻のメモ いつ頃から異常があったかを明確にしておくと、原因特定や保険申請がスムーズになります。 |
2.二次被害の防止と衛生管理を行う
周囲の電源を落とした後は、以下の点に留意してください。
| ・感電の再確認 水に濡れた電化製品は、乾いたように見えても内部でショートしている可能性があるため、専門家の点検を受けるまで通電を控えます。 |
| ・汚染の拡大防止 漏水が排水管由来の場合、雑菌が広がらないよう、タオルや防水テープでの処置に加え、除菌剤による清掃を検討します。 |
3.関係者への迅速な情報共有を行う
特にテナント物件の場合、他店舗への影響を最小限にすることがマナーです。
| ・階下テナントへの声掛け 自店で止水できても、すでに階下へ水が回っている可能性があります。「自店で漏水があり、現在処置を終えた」旨をいち早く伝え、被害の有無を確認しましょう。 |
| ・管理会社・オーナー様への報告 建物の躯体や共用配管の老朽化など、建物側に原因がある場合は、オーナー様負担で修理が行われます。ただし、原因の特定ができるまではテナント・オーナー双方で立ち会いが必要になるケースも多いため、現場の状況を勝手に変えず、貸主側の判断を仰ぎましょう。 |
修理・改修工事の流れと専門業者の役割
専門業者による正確な現地調査や適切な修理計画は、問題の根本原因を取り除き、同様のトラブルを繰り返さないために不可欠です。
現地調査で原因を特定し、作業計画を立てる
業者はまず漏水箇所の位置や原因を詳しく調べ、点検口や特殊な機材を活用して建物内部を確認します。調査の結果に基づき、修理手順や必要な資材、工期をまとめた作業計画を立案する流れです。飲食店の営業日程と照らし合わせて負担を最小限にするよう調整しましょう。
修理完了後の検査・報告書作成とアフターケア
修理完了段階で再度検査を行い、問題解消を確認します。報告書の作成によって修理内容や使用した部材、その後のメンテナンス方法などを明文化するため、後々のトラブル対応にも役立ちます。また、定期的な点検契約を結ぶことで、再発リスクを低減できます。
漏水に伴う賠償責任と保険活用のポイント
トラブルの原因がどこにあるかで責任範囲や費用負担が異なるため、保険のしくみを理解しておきましょう。
テナント・オーナー間での責任分担について
通常、建物の構造部分(躯体)の維持管理は「オーナー様」が、店舗内の設備や軽微なメンテナンスは「テナント」が分担します。漏水原因が建物の老朽化にあるか、テナントの使用不備(排水管の詰まり放置等)にあるかで費用負担が変わるため、契約内容をしっかり把握し、オーナー様と良好なコミュニケーションを保つことが大切です。
火災保険や賠償責任保険の活用
火災保険は火災だけでなく、水漏れによる損害に対する補償が含まれている場合も多く、契約内容を確認することが必要です。ただし、自分の店舗の損害を守る保険と、他者への賠償に備える保険は性質が異なるため、以下のポイントに注意しましょう。
| ・施設所有管理者賠償責任保険 階下への漏水など、他者の設備や財産に被害を与えてしまった際の賠償に備える保険です。プランによっては、被害を受けた店舗への休業補償に対応できるものもあります。 |
| ・店舗総合保険(火災保険) 自店舗の内装や什器・備品が濡れてしまった損害をカバーします。ただし、一般的に「給排水設備自体の修理費用」は対象外となるケースが多いため、注意が必要です。また、特約として「水濡れ(みずぬれ)損害」が含まれているか、さらに原因特定のための「原因調査費用補償」が付帯されているかを必ず確認しましょう。 |
| ※注意点 グリストラップや配管などの機器故障時に対応できるプランも存在しますが、経年劣化による事故は補償対象外となるケースが一般的です。 |
保険会社とのやり取りでは、事故発生時の写真や被害報告書を提出する場面もあるため、普段から記録をしっかり残しておくことが望ましいでしょう。また、被害を最小限に抑えることが保険適用の前提となることもあるため、迅速な対応が求められます。
再発防止策と定期メンテナンスの重要性
一度修理を行ったあとでも、定期的なメンテナンスと点検で再発を防ぐことが重要です。
定期点検のチェックリストを導入する
日常的に点検すべき箇所をリスト化しましょう。具体的には、シンクや排水口の水はけ状況、配管の接続部の異常、床や壁の湿り気などを確認するのが効果的です。
グリストラップや排水管周りの清掃・点検をする
油脂汚れが溜まりやすい排水管は、専門業者による高圧洗浄を定期的に行うことで、逆流による漏水リスクを大幅に下げられます。これは悪臭や害虫発生を防ぎ、顧客満足度の維持にもつながります。
屋根・外壁の防水処理と補修を行う
屋根や外壁は定期的に防水工事や点検を実施しましょう。ひび割れの早期発見やシーリング材の補修など、小さな作業の積み重ねが大掛かりな工事を回避する鍵となります。
株式会社テンポイノベーションでのトラブル対応とは
当サイトを運営する株式会社テンポイノベーションでは、漏水などの設備トラブルの発生頻度が高く多種多様な対応が求められる飲食店物件において、オーナー様が経営に専念できるよう当社からお貸ししている物件のトラブルの対応体制を構築しています。
こうした複雑なトラブルを迅速に解決するには、建物や設備・法令に関する深い専門知識と豊富な経験が不可欠です。当社では専門部隊として「物件管理部門」を設置し、一分一秒でも早い復旧を目指して尽力しています。
| ・専任担当制によるサポート 1物件ごとに専任の担当者がつき、トラブルの早期解決に向けて迅速な判断と、必要に応じた関係各所への手配・調整をサポートします。 |
| ・蓄積された膨大なノウハウ 創業以来、延べ7,000回以上のトラブル(漏水、設備故障、害獣、近隣クレーム等)に向き合ってきたデータを蓄積。トラブルの予兆を捉えた未然防止や、発生時の的確な原因特定に活かしています。 |
株式会社テンポイノベーションは、一般的な「修理代行を行う管理会社」ではありません。しかし、物件の「貸主」として、建物の原因により営業に支障が生じた際、その問題を解決するための迅速な判断と調整を行います。
私たちは飲食店オーナー様を支えるパートナーとして、万一の際も独自のノウハウと機動力で店舗経営をバックアップいたします。
株式会社テンポイノベーション貸主物件を見る>関連記事:物件で発生する「トラブル」に対する当社の考え方
まとめ
漏水トラブルが起こると、営業停止から多額の修理費用に至るまで、飲食店にとって大きな痛手となります。早期発見・定期的なメンテナンスの習慣化が被害を最小限に抑える最善策です。万一発生した際には迅速に専門業者と連携し、賠償責任や保険についても正確に把握しておきましょう。






