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飲食店の開業には"季節"がある!ジャンルと地域で見えた4つの成功パターン
2026.07.23
飲食店の開業を検討する際、立地や資金調達に並んで重要なのが「オープンする時期」です。一年中いつでも同じように集客できるわけではなく、業態や地域によって外食需要が高まるタイミングは異なります。株式会社Reviewが実施した独自調査では、2025年に全国で開業した58,330件の飲食店データを分析し、ジャンルごとの出店サイクルや地域ごとの開業ピークを浮き彫りにしました。
本記事では、「全国飲食店開業ランキングレポート ver.8」の詳細なデータをもとに、飲食店の開業に潜む季節ごとのパターンと、これからの市場を勝ち抜くための出店戦略を徹底解説します。
2025年、市場規模は安定も地域ごとの動きに変化
2025年に全国で開業した飲食店の総数は58,330件でした。第4四半期(10月から12月)の開業数は15,512件で、過去3年間の同期間はいずれも15,000件台で推移しており、年間の開業規模はおおむね横ばいで安定しています。
しかし、都道府県ごとの内訳を詳しく見ると、地域によって開業の勢いには明確な違いが表れています。
| 順位 | 都道府県 | 年間開業件数 | 10月〜12月開業数 |
|---|---|---|---|
| 1位 | 東京都 | 8,235件 | 2,186件 |
| 2位 | 大阪府 | 5,040件 | 1,276件 |
| 3位 | 愛知県 | 3,617件 | 1,037件 |
| 4位 | 北海道 | 3,465件 | 1,117件 |
| 5位 | 福岡県 | 3,393件 | 763件 |
ランキング上位は東京都や大阪府などの大都市圏が引き続き牽引しています。東京都は国内最大の市場規模と訪日客需要の拡大を追い風に多様な業態の出店が続いており、大阪府も商業都市として繁華街を中心とした新規出店が活発です。
一方で注目すべきは、年間4位の北海道です。北海道の10月から12月の開業数は1,117件となり、2023年の798件、2024年の940件から3年連続で増加しています。札幌市などの都市部だけでなく、観光地周辺でも国内外からの旅行需要を見込んだ開業が進んでいます。さらに、茨城県や熊本県、宮城県といった地方エリアでも前年を上回る伸びが見られ、全国一律ではない地域ごとの市場動向がより鮮明になっています。
飲食店のジャンル別開業数ランキング:上位業態の動向
次に、2025年に開業した飲食店をジャンル別に見ていきましょう。どのような業態が多く出店されているのかを把握することは、競合環境を知る上で重要です。
| 順位 | ジャンル | 年間開業数 |
|---|---|---|
| 1位 | 飲み屋・居酒屋 | 4,422件 |
| 2位 | カフェ・喫茶店 | 4,251件 |
| 3位 | バー | 3,504件 |
| 4位 | ラーメン | 2,060件 |
| 5位 | 各国料理 | 1,854件 |
1位は「飲み屋・居酒屋」の4,422件、僅差で「カフェ・喫茶店」が4,251件で2位に続きます。これら上位のジャンルは、それぞれ開業が増えるタイミング(月別推移)が異なっており、自社のターゲット層や利用シーンに合わせて開業時期を戦略的に選んでいることがデータから読み取れます。
「いつ開業するか」を左右する4つの季節パターンと出店戦略
上位10ジャンルの月別推移を分析した結果、特定の月に全業態の開業が一極集中するわけではなく、大きく分けて4つの出店パターンが存在することが判明しました。これは、気候や季節イベント、インバウンド需要の変動が影響しています。
1. 夏の需要を見据えて開業する「夏型」(カフェ・居酒屋・スイーツ)
カフェ・喫茶店、飲み屋・居酒屋、お菓子・スイーツの業態は、いずれも7月に年間最多の開業件数を記録しました。特にカフェは6月から7月にかけて大きく伸びを見せ、その後年末へ向けて減少していくのが特徴です。
これらの業態は、夏休みや旅行シーズンによる人流増加の恩恵を受けやすく、商業施設や観光地での休憩需要との親和性が高いと言えます。2025年は7月の訪日外国人数が過去最高水準を記録しており、こうした実需が最も高まるタイミングに合わせて、逆算して開業時期を設定する分かりやすい出店戦略が反映されています。
2. 新生活・大型連休需要を狙う「春〜初夏型」(和食・専門料理店)
専門料理店は4月、和食・郷土料理は5月に開業のピークを迎えます。3月から5月にかけては、新年度のスタートに伴う人の移動や生活環境の変化があり、歓送迎会や花見、大型連休など外食機会が連続する時期です。
和食や専門料理店は「少し特別な食事」を求める需要を取り込みやすく、旅行先での食体験とも相性が良いため、こうした春特有の需要増に適したタイミングとして選択されていると考えられます。
3. 秋から年末商戦を見据える「秋冬型」(バー・一般レストラン・焼肉)
一般レストランは10月、バーは11月、焼肉は12月に年間最多の開業数となりました。カフェが夏にピークを迎えるのとは対照的に、バーは10月以降も開業が増え続けます。
これは業態特性の違いが大きく影響しています。夜間利用が中心のバーは、猛暑の夏よりも気候が落ち着いて夜間外出が増える秋以降の方が需要との相性が良いからです。また、秋の観光シーズンから始まり、複数人で利用されることが多い焼肉などは、忘年会やクリスマスが続く年末需要を取り込むために、この時期を狙って開業する傾向があります。
4. 複数の需要期を持つ安定した「二山型」(ラーメン・各国料理)
ラーメンは4月と10月、各国料理は7月と10月に開業数が増え、年間を通じて二度のピークを持つ点が特徴です。
ラーメンは真夏や真冬を避け、気温が落ち着き温かいメニューへの需要が戻る春と秋に開業が増加します。一方の各国料理は、春から夏、そして秋にもピークがあり、観光やインバウンド需要が高まる時期に合わせた出店が目立ちます。一つの繁忙期だけに依存せず、年間を通じた事業計画を立てやすい業態と言えます。
地域ごとに異なる「開業しやすい季節」の傾向
ジャンルだけでなく、出店する「エリア」によっても開業のピーク月は異なります。全国平均では4月が最多ですが、年間開業数トップ10の都道府県を見ると、地域特性に応じた明確な傾向が見られました。
都道府県別に見る3つの開業ピークパターン
- 春型(3〜4月にピーク):大阪府・福岡県・愛知県
新年度による人の動きや新生活需要を見据えた出店が集中します。歓送迎会や花見などで外食需要が高まることに加え、人口流入が多い都市圏で顕著に見られる傾向です。 - 秋型(10〜11月にピーク):北海道・神奈川県・千葉県
過ごしやすい気候での行楽需要や訪日客の増加、さらにその後の年末商戦を見据えた開業が特徴です。特に北海道では、秋の観光シーズンとインバウンド需要が重なり、11月の開業が突出しました。 - 通年安定型(年間を通じて安定):東京都
4月が最多ではあるものの、年間を通じて大きな変動がなく高い水準で推移します。ビジネス、観光、買い物など飲食店が利用される場面が幅広いため、特定の季節への依存度が低いことが背景にあります。
まとめ|外部環境の変化を捉え、最適なタイミングと居抜き物件で賢く開業
2025年の市場は、インバウンドの回復、記録的な猛暑、物価高、人手不足など、多様な外部環境が同時に進行した一年でした。全体としての開業件数は安定しているものの、その内訳を見ると、飲食店経営においては単なる「開業件数」以上に、「どこで」「いつ」「どのような業態で」開業するかという戦略性が強く問われるようになっています。
自店舗のジャンルが持つ需要サイクルと、出店エリアの季節的な特徴を掛け合わせることで、オープン直後から安定した集客を見込める最適なタイミングが見えてくるはずです。
また、ターゲットとする需要期(ピーク月)を逃さず、確実かつスピーディーに開業を進めるためには、内装や厨房設備を引き継げる「居抜き物件」の活用が極めて効果的です。初期費用を大幅に抑えられるだけでなく、工事期間の短縮によりスケジュール通りのオープンが実現しやすくなります。需要の波を確実にとらえるためにも、まずは市場に出ている優良な物件情報を早めにチェックし、出店計画を具体化していきましょう。
※本記事内のデータは、株式会社Reviewが発表した「全国飲食店開業ランキングレポート ver.8」(2026年7月23日時点)に基づいています。
プレスリリース元はこちら\ 初期費用を抑えて狙った時期に開業 /
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